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エベレスト日本人最年少登頂 伊藤伴│FOCUS vol.5 後編

2016/11/14

今年の5月、2人の大学生が相次いで世界最高峰エベレスト登頂に成功した。 いずれも日本人最年少登頂記録を更新ということでマスコミを賑わせたが今回の主役、伊藤伴が胸に秘めていたのは、まるで別の思いだった。 中編はコチラから

ロブチェ・イースト山頂にて

次はもっと高い山に登りたい。そんな思いが強かった

─最初に山と出合ったのは小学生時代ですか?
「そうです。小学校4年生の担任が山好きだった人で、ある日、南米の山に登ったビデオを観せてくれました。その時、先生をガイドしていたのが近藤さんだったんです。登山っていいな、ガイドってカッコいいなって思い始めたのはその時からです。  小学校5年生になると、なぜか野口健さんの七大陸最高峰の最年少登頂記録を抜きたいと思いました。野口さんは最初に16歳の時にモンブランを登っているので、じゃ僕は15歳で登ろうと決め、ブログのコメント欄を通じて近藤さんとやり取りを始めました」

近藤の主催するアドベンチャーガイズ岩登り体験会に参加した小学生時代の伊藤と講師の近藤。

小学生の時に登山用にと小遣い貯めて自分で買ったSUUNTO。

2013年、高校3年生で参加したロブチェ・イースト遠征。そのサミットプッシュ時

─小学5年が4年後にモンブランに登ると決めた?
「そうなんです(笑)。そこからお年玉やゲームを買うために貯めていたお金、自転車に乗ることで浮かした電車賃などをひたすら貯めて、中学3年の夏休みにひとりで飛行機に乗ってフランスに飛び、近藤さんのガイドでモンブランに登頂しました。それが初めての海外旅行でした(笑)」

─ははぁ。
「その時はモンブランの後にスイスのメンヒにも登って、それで七大陸の記録とかはどうでもよくなっちゃったんです。素晴らしい山は、なにも七大陸最高峰だけじゃないと気づいたんですね」

─高校3年でロブチェ・イーストに挑戦したのは?
「帰国してから近藤さんの事務所を訪ねて、次の目標を相談したんです。そこで近藤さんから、4000mのモンブランの次のステップとして6000m峰は? と提案されたんです。そこで、高校3年の春に挑戦するという3年計画を立てたんです。アルバイトで費用を貯めるには、それだけの期間が必要だと見積もったんです」

─高校では山岳部には入らなかったんですか?
「いちおう入りました。ただ、活動もハードなものではなく、夏は北アルプス、あとは月イチで奥多摩の山といった程度でした」

─それでは満足できなかった?
「自分が目指していた登山とはちょっと違うなとは思いつつ、同年代の仲間と山に登るのも、また山の楽しみ方のひとつかなと、それはそれで楽しんでいました」

─目指していた登山とは、どう違っていたんですか?
「中3でモンブランを登った直後でしたから、次はもっと高い山に登ってみたい。当時はそんな思いが強かったんだと思います」

それでもやっぱり、山岳ガイドしか考えられないかな

─この先の予定は?
「できれば秋にもう一度ヒマラヤに戻りたいと考えています。費用の問題が解決すれば、別の8000m峰にも登りたいし、登山だけじゃなく復興の状況も確認したい。高校3年で初めて行った時からネパールが好きになったんです。何がいいって、お国柄というか、人の温かさというか。その後も2度のエベレストとボランティア活動を通じて多くの友人もできましたし……。ちょうど今はエベレストのために大学を休学している最中でもあり、今年1年はネパールの山に没頭したいかなと」

─大学卒業後は、どんな道に進みたいと考えています?
「国際山岳ガイドを目指したいです。もちろん、近藤さんのようになりたいという憧れがあります。『ガイドだけが人生じゃないし、もっといろんな世界を見たほうがいいよ』と近藤さんには言われるんですが、それでもやっぱりガイドかな。実際、海外の山に登るようになって、その思いは強くなりました。人に大きな喜びを与える、素晴らしい仕事だと思います」

中学3年生で登ったモンブラン。左はガイドの近藤。

母校、東京経済大学の広報課前には、伊藤の登頂成功を報じる新聞記事が多く掲示されている。

中学1年の春、初めて近藤に連れられて登った春の立山雄山山頂

Text / Chikara Terakura
soto9号(双葉社スーパームック)より転載


伊藤伴
1995年12月、東京・小平市生まれ。小学校5年生でモンブランに登りたいと考え、国際山岳ガイドの近藤謙司に相談。以来、中学3年でモンブラン(4810m)、高校3年でネパールヒマラヤ、ロブチェ・イースト(6119m)、大学3年でエベレスト(8848m)と、いずれも近藤のガイドによって登頂を果たす。東京経済大学経営学部在学中

Impression 伊藤伴のアイテム
トーレストマウンテンパンツ PM4646

足運びがスムーズにできて、とても動きやすいパンツです。
脇のファスナーはしなやかなので、開けたり閉めたりすることにストレスを感じませんでした。
両脇が全開になるので、シューズを履いたままでも脱ぎ履きするのに、とても便利でした。


2016/11/14


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