ページの先頭へ戻る

ガチランナー担当MD、Columbia Montrailのテクノロジーを徹底解説!

2017/04/27

世界最高峰のトレイルランニングレースUTMBに挑戦した3人のトレイルランナーのドキュメンタリームービー【ENDURE】が完成しYoutubeで公開しましたが、みなさまご覧になられたでしょうか。
今回は、登場するランナーの1人であり、コロンビア モントレイルのMD(マーチャンダイザー)でもある新木に、コロンビア モントレイルのトレランシューズを支える機能・テクノロジーの解説をしてもらいました。

UTMBドキュメンタリームービー【ENDURE】


 ――「ENDURE」拝見しました。お話には伺っていたものの、映像で見るとその過酷さがさらに伝わってきました。そんな過酷なレースにも出場され、長年モントレイルに関わってこられた新木さんにColumbia Montrailのテクノロジーについて伺いわせていただきます。

【ENDURE】登場シーンより

 ――早速最初の質問にはいります。「Fluid Foam(フリューイッドフォーム)」「Fluid Guide(フリューイッドガイド)」という似た名前のテクノロジーがありますが、その特徴を解説おねがいできますでしょうか。

フリューイッドフォーム


まず、フリューイッドフォームは、ミッドソールのテクノロジーです。ミッドソールは、衝撃を吸収する役割があり、シューズには大切な機能です。トレイルランニングシューズ以外でも、ランニングシューズ、トレッキングシューズなどにはEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)という素材が使われています。クッション性がとても良く、一般的に使われている素材です。
フリューイッドフォームは、そのEVAを改良し、よりよいクッション性とヘタリづらさを実現しています。ミッドソールは、使っていくとどんどん潰れていき、シワになってクッション性が落ちていきます。フリューイッドフォームは、新品の状態で通常のEVAより17%ほで衝撃吸収性が高く、3ヶ月の使用テストでも、新品のEVAに比べ7%ほど高い衝撃吸収性があります。元々クッション性が良い上に耐久性があるので、長く使ってもらう事ができます。

ミッドソール内の指で示した黒とグレーのマーブルになっている部分が「フリューイッドガイド」


フリューイッドガイドは支えるテクノロジーです。足裏のアーチをサポートしたり、ねじれに対する剛性を強くしています。
足裏のアーチは、着地衝撃のクッションや蹴り出しのバネ、バランス保持と走る上での重要な機能のひとつです。ですが、元々アーチが潰れがちな人や走り続けるとアーチが落ちてくる人には、サポートがあった方が快適に走れます。アーチをサポートすることで、疲労の軽減やレース後半の蹴り出しが弱くなるのを抑えてくれます。
従来、アーチをサポートするパーツはミッドソールに別素材のものを接着していましたが、このテクノロジーの優れているところは、ミッドソール(フリューイッドフォーム)の一部を段階的に硬くして、サポートを作っていることです。接着剤を使用しないので軽量化でき、同素材を使用しているので衝撃を自然に吸収します。

ただ誰にでもサポートが必要というわけではなく、しっかりとアーチがあり、バネを持っている人にはおススメしません。そういった方向けに、フリューイッドガイドが入っていないモデルもあります。その代表格がバハダです。

左がフリューイッドガイドの入っていないバハダIII、右のカルドラドIIのミッドソールにはフリューイッドガイドが入っている


バハダはニュートラルなシューズで、足のクセが少ない方におすすめです。足のバネがしっかりしている人なら、人間本来の足のクッションが十分に発揮できます。フリューイッドガイドが入っていない分、固くない部分が多いので、クッション性が高くできます。
フリューイッドガイドは、アーチが弱い人や、バネのしっかりした人でもアーチが弱くなるくらいにの長距離走る時におススメです。ねじれに対する剛性を求める方にもいいですね。フリューイッドガイドが入ったモデルでバハダと同等のシューズだとカルドラドがあります。

 ――「Trail Shield(トレイルシールド)」というのはどんなものですか?

トレイルシールドは、突き上げから足裏を守るプロテクションのテクノロジーです。コロンビア モントレイルのシューズは、全てトレイルシールドが入ってます。ただ、トレイルシールドの入り方に違いがあります。山岳エリアを走るマウンテンランニングでは、ガレ場、岩稜が多く、突き上げから守るために足裏ほぼ全面にトレイルシールドが入っています。軽量性とスピードを求めるフリューイッドフレックスF.K.T.は、最小限の配置で、下りの着地で使うつま先側のみに入っています。
トレイルシールドも、ナイロンプレートやサーモプラスティックなど別素材を張り合わせているのではなく、フリューイッドガイドと同様、フリューイッドフォームと同じ素材を部分的に硬くして作っています。接着剤は使用していないので、その分軽くなり、別素材の組み合わせではないので、自然なフレックス性があります。プロテクションはしっかりありつつ、走りやすい点がコロンビア モントレイルシューズの特徴です。シールドがあることで、ねじれ剛性も増しています。

写真左からバハダトランスアルプスフリューイッドフレックスのミッドソール



 ――「Out Dry(アウトドライ)」「Out Dry Extreme(アウトドライ エクストリーム)」と2種類の防水テクノロジーがありますが、どんな違いがあるのでしょうか?

上がアウトドライ採用構造、下が従来品

アウトドライの利点を説明するために、従来の防水構造を説明しますと、今まではブーティ(靴下状)の防水皮膜をシューズの中に入れて、防水性を確保していました。(写真下)
(写真で見て頂くとわかるように)表面の素材と防水皮膜の間に隙間があるので、表面生地の撥水が落ちてくるとその隙間に水が溜まってしまいます。水が溜まってしまったら、その分重くなってしまうし、その水で足が冷えてしまいます。アウトドライは、表面素材に直接防水皮膜を貼り付けています。(写真上)
表面素材との間に隙間が無いので、水が溜まることがありません。水を溜めないので重くなることも、水で足が冷えることもありません。従来の構造は、ブーティがありシューズ内にゴワつきがありましたが、アウトドライは構造がすっきりしているので、高いフィット感が得られます。アウトドライの皮膜は伸縮性が強いので、屈曲に強いのも特徴です。

アウトドライ エクストリームはさらに進化し、外から見えている表面素材自体が防水の皮膜です。一番外側に防水皮膜があるので、隙間がないどころか、表面が濡れない。わかりやすくいうと、ゴム長靴のように、表面で水を遮断しています。通常のアウトドライでも、表面の撥水が落ちたら、表面生地や素材は濡れてしまいますが、アウトドライ エクストリームはそれがありません。アメリカでも賞をいくつも受賞している注目の最新テクノロジーです。

メンズ カルドラドIIアウトドライエクストリーム

 ――防水シューズはどんなシチュエーションに向いていますか?

雨の日のレースではあまり防水シューズは使わないですね。防水でも、足首のところから水が入ってしまうので、そうなってしまうと逆に水が抜けないということになる。なので、通常のメッシュシューズの方が水抜けがよく、濡れることは割り切って走ります。 トレイルランニングで使うなら、トレーニングで使うときが多いですね。例えば、朝露がある時は、トレイルの草が濡れています。そういうときにバッチリ。当日は雨が振っていないけど、前日に降ってトレイルが荒れているのが予想できる時にもおすすめです。 あと、冬場、寒い時には防風対策として履くのもいいです。簡易アイゼンのようなものをつけて、若干雪があるところを走るスノーランもいいですね。砂礫でのレースにも向いています。防水の皮膜が砂やほこりの侵入も防いでくれます。ゲーターをつけて、富士山のような砂礫の山の下山時にも活躍してくれます。

 ――別売りインソールやサンダルでは、PRFRM(パフォーム)という熱成型で足の形状にフィットさせるテクノロジーがありますが、足の形にフィットさせる事でどんな効果が得られますか?

熱成型できるインソール。左がエンデュロソール、右が少し薄いエンデュロソールLP

パフォームのインソールは、足の裏側の形状にフィットさせるので、一箇所に体重がかからず分散させることができます。負荷が1点に集中しないので、疲労感も軽減できます。土踏まずのアーチキープ、かかとのクッションも走りをしっかりサポート。UTMBのCCCカテゴリーを一緒に走った上田瑠偉選手もこのインソールを使っていて、見事に準優勝しています。
オーブンで熱成型とありますが、履きながらでも十分成型できます。サイズは、1cm刻みなのですが、迷ったら大きめがオススメ。つま先に隙間がないようにしたいので、例えば26.5cmのシューズの方なら、27cmのインソールを選んでください。サイズが大きく入らない場合は、カットして使うのもOKです。

モロカイIIはリカバリー用のサンダルです。レース後など、足が疲れてるときに履くと気持ちがいいです。自分の足型に成型されるので、インソールと同じく体重分散がされたり、アーチの復元を促してくれます。クッション性もすごくいいです。UTMBのレース後も履きました。
 ――とてもわかりやすくて、参考になりました。ありがとうございました。


新木 知範(あらき とものり)
1998年にモントレイルのディストリビューターであったハワードに入社。その後、2007年にモントレイルを扱い始めたコロンビアに移籍。20年間、モントレイルに関わり続け、現在はコロンビア モントレイルのMD(マーチャンダイザー)を担当。トレイルランニング歴も19年と長く、数々のレースに参戦。ハセツネCUPは2000年の第8回大会から出場し続け、15回完走。昨年は、UTMBのCCCカテゴリーに参戦し、見事完走。

PHOTO:Sho Fujimaki

コロンビア モントレイルオンラインストアでは【ENDURE】にも登場している上田瑠偉選手のKOREA 50Kでの優勝を記念したキャンペーンを開催しています。(賞品が無くなり次第終了となります)

2017/04/27


カスタマーサービス
最新情報
コロンビアについて
メールマガジン購読