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【ハセツネCUP2017優勝】上田瑠偉選手インタビュー

2017/10/10

10月8日に25回目の開催を迎えた日本山岳耐久レース「ハセツネCUP」にて優勝を飾った上田瑠偉選手に当日のレースを振り返っていただきました。


--2014以来3年ぶりの優勝です。率直な感想を。
嬉しいです。毎年優勝を期待され続けてきましたが、応援してくださった方にやっと嬉しいニュースを届ける事ができました。

--3年前との違いは?
プレッシャーですね。背負う物が大きくなりました。3年前のレース(歴代1位の7時間1分13秒で優勝)は改心のレースでした。いわゆる“ゾーン”に入ったような走りで、1年に1回あるかないかの快走でした。その時に比べると、今年はそこまでコンディションは良くありませんでした。

--レースに向けての準備はいかがでしたか。
7、8月はなかなか練習をする時間ができなかったのですが、9月はしっかり練習が出来ました。もう1ヶ月あれば記録(6時間台)を目指す準備ができたかもしれませんが、今回は練習量的にも、8時間切りが現実的。その中で、勝つためにはどうすべきかを考えて練習、準備を進めました。


--当日の振り返りを伺います。レース前の準備は何か変更しましたか?
暑さが予想されていたので、水は2.5リットルと多目にしました。

--昨年は暑さもあり途中リタイヤとなりましたが、水不足とか?
去年は精神的に浮ついていました。8月末のCCCの疲れもあり、今年以上に9月は練習できてませんでした。口では「6時間台を!」と言って、無理に笑顔を振りまいていましたね。皆の期待に応えようとする余り、冷静に自分の力を見ることが出来てませんでした。 今年はその反省もあり、レースに向けて本当に集中したかった。レース前も、緊張感が解けないよう写真撮影なんかも出来るだけ避けていましたね。

Photo:Sho Fujimaki


スタート1時間15分、醍醐丸で勝負をかける

--スタートから第一関門(浅間峠)までの振り返りをお願いします。
第一関門まではウォーミングアップ。飛ばしすぎないよう気をつけました。山に入るまでは後ろから様子見。山に入って醍醐丸(15.29km地点)手前までは上位4人で走ってましたが、ペースが遅いと感じていたので、醍醐丸からの下りで2位以下の視界から消えるようスピードをあげ、そこから一人旅となりました。
第一関門の浅間峠(22.66km)へは2時間15分で通過。例年の優勝タイムとほぼ同じぐらいです。醍醐丸で仕掛けず、2時間20分ぐらいになっていたら、ライバル達にとってちょうど良いペースになってしまい、その後の展開も変わってしまったかもしれません。最終的には醍醐丸から最後まで一人だったので、この仕掛けが勝因となりました。

Photo:Sho Fujimaki


--浅間峠から第二関門(月夜見)まではいかがでしたか。
30km手前の丸山あたりで足に違和感。ちょっと力が入ると攣ってしまいそうに。初めてハセツネに出た2013年は三頭山(36.32km)の登りで攣ってしまったので、翌年は慎重に登り優勝へと繋がりましたが、その時よりもはるか手前での足の不調に、やはり万全ではないと感じました。第二関門の月夜見の時点で水を2リットルも消費していなかったので、水分を摂取するペースが遅かったという事もありました。 ただ、Korea50K(4月 大会記録で優勝)でも最後10kmで足が攣ってしまい走れなくなったのですが、その経験のおかげで、攣りながらも走り続ける事ができました。月夜見には4時間30分で到着。例年の優勝タイム並みでした。


--いよいよ後半、月夜見から第三関門(長尾平)までをお願いします。
ここからがトラブル続きで大変でした。
三頭山あたりから出ていたガスで、視界が真っ白で全然見えなくなり、スピードをあげる事ができなくなりました。ペースが遅いのが自分でもわかっていたのですが、飛ばせばコース外へ落ちてしまったり、道を間違ってしまう。遅いペースだと、後ろに追いつかれてしまうのではないかという不安。そのギリギリのスピードで、先に小さく見えてくる小さな案内板の光だけに集中して走り続けました。後で振り返ると、この区間では2位との差は縮まっていなかったので、ライバルもペースを上げられなかったのかもしれません。
御前山(46.57km)の手前からは腹痛が襲ってきました。水分摂取不足か、合わないジェルがあったのか、、結局最後まで腹痛は治まりませんでした。
大岳山の登りでは手を使って登るような崖がありますが、そこでは頭を強く打ってしまいました。2日経った今でも痛みが残るほどの強打。そして、その後トレラン人生最大の恐怖に遭遇しました。

トップランナーだからこその危機に遭遇

熊です。ガスって実体を見てはいないのですが、前方5m以内の距離で大きな動物に吼えられたのです。視界があればヘッドライトの光で熊も退散してくれるのですが、ガスガスの視界の無さが災いしてしまいました。
恐怖を感じながらも、手を叩いて大きな音を出し、熊が逃げるのを待ち、1~2分してから走り始めました。熊が逃げた方向を確認できていなかったので、そこからも恐怖に怯えながらの走りとなりました。第三関門の長尾平へは例年の優勝タイムから+10分と遅れましたが、後ろとの差は縮まっていませんでした。視界の無さと滑りやすい路面に、他のランナーも慎重だったのかもしれません。


--そして第三関門からゴールまでです。
最後12km、下れる足はあったのですが、腹痛と視界の悪さ(ヘッドライトの光量不足も)で、例年より8~9分遅く、12分あった2位との差は5分まで縮まってしまいましたが、なんとか1位を守ってゴールする事ができました。
これまで多くのレースにでましたが、過去1、2番に入るキツさでした。暑さもありましたが、体調の悪さとプレッシャーですね。足は攣り、腹痛は2時間半続き。。途中で何度も止めたくなりましたが、応援してくださってる人の事を考え、最後まで走る事ができました。レースは全く楽しむ事ができませんでしたが、プレッシャーを力に変える事ができました。本当に感謝しかありません。

Photo:Sho Fujimaki


--装備についても伺います。今回はカルドラドIIでしたね。
レースではログF.K.T.を使っているのですが、Korea50Kでカルドラドで良い走りができた実績、ハセツネのコースの後半、岩や砂利が多いこと、完全でない足の仕上がり的に、ログF.K.T.よりプロテクション性の高いカルドラドを選択しました。タフなコースにはオススメ出来る安定感のあるシューズです。


--最後に次の目標をお聞かせください。
今年もいくつか参戦しましたが、来年はより多くの海外レースに参戦し力をつけたいですね。特に9月に開催されるスカイランニング世界選手権は表彰台に、その次の世界選手権(2020年)では金メダルを獲る事が大きな目標です。


--ハセツネの上田瑠偉から世界のRuy Uedaへですね。これからも良い走りを期待しています。

上田瑠偉
佐久長聖高校出身。大学時代にトレイルランニングと出会い、初出場のレースで大会新記録・優勝を飾る。以来、様々なレースで記録を残す。海外レースでも成績を残すなど、いま最も注目を集めるトレイルランナー。コロンビアスポーツウェアジャパン所属「コロンビア モントレイル」のブランドマーケティングを担当。

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