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アウトドアウェアの既成概念が変わる│本澤裕治さんが考える ジーンズのあたらしい可能性(前編)

2018/05/16

ジーンズは、動きにくい、乾きにくい、濡れたら重い。フィールドにジーンズで出かけるなんてありえない!といわれたのは、もう昔の話。
コロンビアとデニムのスペシャリスト・本澤裕治さんとのコラボで生まれた「コロンビアブループロジェクト」のアイテムはアウトドアウェアの既成概念を大きく変える、いわば黒船的存在。商品部アパレルウェア担当・島田幸房とともに、商品開発秘話を語っていただきました。

デニムのスペシャリスト本澤裕治さん(右)。デニムの研究のために海外をとびまわり、多忙を極める。インタビュー時もジーンズのサンプルが入った大きなバッグを背負って登場した。

ーーエドウィン、リーバイスに勤務され、2005年に「Dr.Denim Honzawa」として独立。2009年には、オリジナルブランド「RED CARD®」を立ち上げています。その一方で、大手アパレルが作るジーンズのコンサルティングにも関わり、アダストリア・グループ、オンワード樫山、無印良品など、多くのジーンズの裏には本澤さんが関わっているとか。いつから、ジーンズを仕事とされているのでしょうか?

本澤 僕は、新卒で平成元年にエドウィンに入社しているんで、今年で30年なんですよ。4月1日に入社したんで、あと数日で30周年。(※取材は3月末に行われました)

ーージーンズひとすじだったんですね。ジーンズにそこまで惹かれたのはいつからなんですか?

本澤 高校生のときですかね。僕らの若い頃って、バブルだったし激しい時代だった。アイビールックブームの最後の世代だったんですよ。高校生のときからネクタイしめて、ブレザーを着る、みたいな。大学生になったら、DCブランドブームが来たんですけど。

島田 よくわかる。同じ年代だと思います(笑)

本澤 そんな時代で僕にとってジーンズというのはイコール、リーバイスだった。ジーンズの魅力に惹かれていくんですよね。憧れたのは古着であって、新品ではないんですけど。やっぱり、ジーンズを作りたい、と思ったら老舗で働きたいじゃないですか。そこで、エドウィンにまず入社して、リーバイスでも働きました。


ーージーンズをなぜコロンビアで作ろうと思ったのですか?

島田 もともと、コロンビアでジーンズを始めたのは3年前なんです。コロンビアは柄物、マルチ柄を得意とするんですが、日常だと派手すぎる。日常にあうものを作りたいと思っていました。コロンビアのカラーって青色じゃないですか。青、デニムといったキーワードで、親しみやすいかっこよさを作り上げたいなと、デニムを軸に商品を展開することに。それなら、日本でナンバーワンのデニムのプロにお願いしよう、となったわけです。

ーージーンズってアウトドアウェアには不向き、NGという風習がありますが?

本澤 え、タブーなんですか?

島田 やはり乾きにくいし、色落ちしますからね。だから、今回のコラボは僕らもチャレンジだったんです。本澤さんにとっても、チャレンジだったと言っていただいて。

本澤 僕たちアパレルとスポーツウェアっていろいろ違うんですよね。縫製のしかたでもスポーツウェアにとっては普通でも、アパレルにとっては普通じゃないことの方が多い。でも、僕たちもジーンズの表現に広がりを出したいんですよ。コロンビアさんとコラボをすることで驚くこともあったし、多様性が生まれましたね。

ーーホワイトストーンポイントパンツトリプルディバイドアベニューパンツジョセフストリームパンツなど、今回コラボされたジーンズについて教えてください。


島田 通常のデニム(綿ベースのデニム)と比べ速乾性に優れ、野外で十分使える撥水性がある生地です。なにより、ほとんど色落ちせずデニムに見える。

ーーデニムに見える、ということはデニムじゃないんですか?

島田 そのあたりは先生に聞いてみましょう(笑)

本澤 デニムの定義って、本来はインディゴという染料を使って染めた縦糸と染めていない緯糸(よこいと)を織った生地のことなんですけど。今回は、緯糸にはポリエステルを使っていて、デニムに見えるけれど厳密に言うとデニムではない。デニムルックとでもいうのかな。
だから色落ちしづらいし、通常のデニムよりもずっと乾きやすいんです。

島田 ふつうジーンズって雨の日にはいたら、もう1日中裾とか乾かないじゃないですか。この布地を使ったパンツは、すぐ乾きますよ。

ーーこの布地を作るのは難しかったんでしょうか?

島田 本澤さんとコラボをする前から、ずっと開発を重ねていてなかなかうまくいかなかったんですけど、納得いくものができてそれをお見せしたら驚いていただいて。

本澤 驚きました(笑)。我々は、色落ちするのが普通でしょう。普段、我々は色落ちしやすいものも作っている。でもね、僕は色落ちしないデニムが欲しかったんですよ。

ーーデニム、ジーンズは時間をかけて色落ちさせることがかっこいいんだと思っていました。

本澤 ジーンズにも流行があるんですよね。レディースだと半年くらいで流行が変わってしまう。僕らが、きれいめって呼んでいるようなものは色落ちしないほうがいい。

島田 この布地を使って、本澤さんがよしとするシルエットで縫製をしているんです。乾きやすい、動きやすいという機能性もあって、シルエットがかっこいい。

本澤 街で着るものよりも股上を少し深くしています。

島田 行動中、着ているシャツの裾が出てくるのは気持ちが悪いですからね。

本澤 そして、ガゼットというんですが、股下にマチを作りました。こうすると、足が開きやすいんですよ。

足が180度開ける、というガゼット。クライミングパンツにも取り入れられている縫製。

ーーホワイトストーンポイントパンツは、さらに動きやすい工夫がされているとか?

トレッキングやフェスにおすすめのモデル、ホワイトストーンポイントパンツ。¥12,960。

本澤 僕たちが普段作っているジーンズの形状って、平面なんですすよね。このモデルは、運動性を確保するために膝の部分を立体裁断にしています。実は、今までないんですよね、こういうものって。コロンビアがすごいところは、これを高い値段で売らないんですよ。2万円しないんでしょ。

島田 僕たちとしては気軽に買ってもらって、街でもフィールドでもはいてもらいたいんですよ。

後編へ続く

本澤裕治 Yuji Honzawa
『エドウイン』に10年在籍し、モデル503の企画に参加。『リーバイス』に6年在籍し、リーバイス501のモデルチェンジを担当。2005年に、Dr.Denim Honzawaを設立。2009年秋冬より、自身のオリジナルブランドである『RED CARD®』をスタートする。ジーンズマニアで研究熱心なことでも知られており、世界のデニム生産地を自らの足で訪れ各国の情報(FIT、縫製、加工、生地)を収集。数々の有名ブランド、SPA企業とデニム製品のコンサルティングやプロデュースを手がける。


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2018/05/16


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