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ロングトレイルハイカー 齋藤正史│FOCUS vol.1 前編

2016/04/01

アメリカ生まれのロングトレイルハイキングを、文化として日本に普及させたい。ただその一心でサラリーマンを辞め、プロとしての道なき道を歩き出している。ひとりの人間をそこまで引き込んだロングトレイルの大いなる魅力に迫ってみる。

2013年、アメリカ三大トレイルのひとつ、コンチネンタル・ディバイド・トレイルをスルーハイク。 ワイオミング州ウィンドリバーレンジにて。背景に聳えているのはMt.スクエアトップ。

 齋藤正史が初めて「ロングトレイルハイキング」に接したのは10年前のことだった。アメリカ三大トレイルのひとつに数えられる「アパラチアン・トレイル」を4ヵ月と8日かけて歩き通したのだ。南部ジョージア州からカナダ国境に接っするメイン州まで、東部14の州を南北に縦断する全長3500㎞。これは鹿児島から北海道まで約3000㎞といわれる日本列島よりも、まだ長い。そんなスケールの大きな自然歩道が何本も存在するところが、アウトドアカルチャーの本場、アメリカ大陸の大きさだろう。
 こうしたロングトレイルの楽しみ方は様々で、毎年の休暇を使って数10年かけて歩き通す人もいるし、気に入った部分だけを日帰り、または短期間で楽しむ人もいる。数ヵ月間かけて一気に踏破する場合でも、数日ごとに町に下りて食糧や装備を補給 しながら進む。アメリカでも一気に踏破する人たちは限られた一部であり、 彼らは敬意を込めて「スルーハイカー」と呼ばれている。
 100日以上に渡って歩き続けられる自然のトレイルがあるという環境もさることながら、それだけの長期に及ぶハイキングを続けること。それ自体羨ましくもあり、想像を超える世界でもある。

4ヵ月以上かけて3500kmを歩く毎日とは果たして?

─ロングトレイルを歩こうと思ったきっかけは何ですか?
「テレビのドキュメンタリー番組を観たんです。アメリカ人ハイカーがアパラチアン・トレイルを歩く、という海外の番組。私は山が好きで登っていたんですが、どちらかというと頂上に登るよりも、綺麗なブナ林でコーヒーを淹れて楽しむ方が好きだったので、ああ、こんな歩き方があるんだな、と強い印象を受けたんです。その時なぜか、いつか自分でも行きそうな予感がしていました」。

─それが具体化したのは?
「その2、3年後でした。ちょうど転職するタイミングでまとまった時間が取れるから、何かにチャレンジしたいと思ったんです。すぐに頭に浮かんだのがアパラチアン・トレイルでした。それだけ印象が強かったんでしょうね」。

(左)ゴール地点より3マイル手前、バックスター州立公園にあるMt.カタディユンの中腹。2005年夏、アパラチアン・トレイルにて。 (右)アパラチアン・トレイル14番目にして最後のメイン州が、スルーハイカーを出迎える。

─トレイルに関する情報はどうやって入手しましたか?
「当時、国内にはほぼ情報はありませんでした。それで辞書を片手にアメリカのウェブサイトをチェックして、最低限必要な情報を調べてアメリカに渡りました」

─ギアはどんなものを?
「普通の山用の道具ですね。高価なギアは買えなかったから、やはりそれなりに重さがある(笑)。英語の辞書や、デジカメ用の単三電池を充電するためにソーラーシステムも持っていましたしね。実際にトレイルで他の人からアドバイスをもらって、いろいろな方法を試しながら進んだ感じです」

─バックパックは?
「80Lの大型パックです。これが4ヵ月間で2つ壊れて、3つ目のパックでゴールしました。重さに耐えきれなかったようで、生地が裂けたり、インナーフレームが折れたりしました」

─重さはどのくらいでした?
「おそらく30㎏から33、4㎏くらいでしたね。たとえば、水のない砂漠地帯を70㎞くらい歩く時は、2、3日分を想定して水を8Lくらい。バックパックの1/3が水って感じです(笑)」

─靴も何足か履きつぶした?
「え〜と、3足ですね。ローカットシューズから始まって、最後は標高が高い所を歩くので、しっかりした登山靴」

─やっぱり(笑)。
「南部から北部に向かって歩くので、トレイルもどんどん変わりますし、数ヶ月にわたるから季節も変化します。そこで、多くの人はこまめにギアを分けて、途中の郵便局留めで送って、装備を切り替えたりしています。でも私の場合は2ヵ月後にはダウンが必要だと思えば、最初から持って歩く。自分に必要なモノを全て持って、ゆっくり歩いていく方がトレイルの旅を楽しめるかなと」(中編へつづく)

Text / Chikara Terakura
soto7号(双葉社スーパームック)より転載


齋藤正史
山形県在住。ロングトレイルハイクの普及及び、NPO法人山形ロングトレイル理事としてロングトレイルを造る活動を続けている。2005年アパラチアントレイル以降、2013年までにアメリカ三大トレイルを踏破し、日本人2人目のトリプルクラウナーとなる。
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ブログ|山形ロングトレイル


Impression 齋藤正史のアイテム
アンダーソンホロウゲーター PU1031

長いトレイルの中で、必要なウエアの中に、ロングゲーターがある。砂や小石がブーツに混入し、足を痛めることを防ぐためだ。また、天候が変わりやすいトレイルにおいては、靴下を濡らさない事も重要になる。湿った靴下は、足に豆を作る原因にもなるからだ。また、伸ばせば防寒対策にもなるし、縮めれば暑さもしのげる。このゲーターを愛用するのは、装着が容易な点だ。しかも紐やゴムで固定しない分、歩きやすいのが嬉しい。


2016/04/01

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