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登山ガイド 栗田朋恵(鎌倉)│FOCUS vol.2 中編

2016/05/19

白馬の麓で生まれ育ち、現在は古都鎌倉を拠点に親子の登山を後押ししている。自らの結婚と住環境の変化、そして子育てを経た女性山岳ガイドが身につけたより幅広い登山観とポジティブシンキングに迫ってみる。

栗田朋恵(鎌倉)│FOCUS vol.2 前編はコチラ

日本の原風景が残る小谷村で、山道を2時間歩いて着く集落での文化体験をを取り入れたハイキングツアーを企画した

自分にできるガイドって何かなと考えた

─ガイドの仕事にはスムーズに入れたんですか?
「仕事をていねいに教えてくださる先輩ガイドに恵まれたと思います。20代だったこともあってか、お客さんにもかわいがっていただきました。もちろんプレッシャーもあるし、学ばなければいけない課題も多いんですが、自分に合ってるなって思いました。あと、なぜか体力があったんですね。人が疲れたと言う地点から、あと100mくらいダッシュできるくらい(笑)」

─具体的にはどんなガイドをされていたんですか?
「冬はスノーシューツアーやバックカントリーツアー、夏はトレッキングやシャワークライミングです。バックカントリーは私ひとりではなく、経験あるガイドさんに付いてアシスタントガイドをしていました」

─どうやって独り立ちしていったんですか?
「先輩方やガイド組合から紹介されたり、人とのつながりですね。そのうちに自分でもこんなツアーをやりたいと思うようになって、小谷村の観光連盟に企画を提案したりしました。たとえば女性対象のトレッキングですね。ちょうど女性登山に追い風が吹いた時期で、そこにたまたま自分が居合わせたという感じで、女性のお客さんが増えていきました」

冬はテレマークスキーでバックカントリーを満喫

─得意な分野は?
「女性や初心者の入門編、登山の入り口になる部分ですね。標高の高い山では背負わなければならないリスクも多いし、男性ガイドと違って人を背負って降ろすような体力もない。そうした中で、自分にできることって何かなと考えたときに、標高を下げることだったんです。初めて山に登る人のレベルに合わせた登山ですね」

─白馬エリアではどのあたりのフィールドになりますか?
「標高でいえば1500mから2000mの間くらい。具体的には八方池や五竜とおみ、それから私の最も身近な栂池自然園です。自然を観察しながら少しずつ標高を上げていく感じです」

─唐松岳までは行かない?
「標高3000m近い稜線は、しっかりした登山の領域です。山道を歩くのすら初めての人には、まずはどんな景色があるかを知っていただくことがワンステップだと思うんです。少し標高が低くても、景色は変化に富んでいるし、十分に山を楽しめますからね。そこまで体験したら、次の2歩目でその先を目指す。そうやって徐々に進んでいくやり方がいいんじゃないかなって思います」

─鎌倉に拠点を移したのはなぜですか?
「結婚です。相手が鎌倉の人で、湘南地域に勤めていた関係で」

─ご主人は山関係の方?
「いえ。よく聞かれるんですけど、私が東京にいた頃に知り合った人で、普段はサラリーマンです。彼は山も私と一緒に登ったのが最初ですね」

─長野から移り住むには相当葛藤があったんじゃないですか?
「それはもう……。お互い、綱引きです(笑)。どちらもいい土地でしたし、でも結局のところ、結婚したらどちらのフィールドにも家が持てるねってことで」

─なるほど。
「やはり、長野で暮らしていきたいという気持ちは強かったですよ。ただ、物理的に距離は開いても、山には通おうと思っていたんですよ。でも、すぐに子どもを授かったので、そう簡単にはいきませんでしたけど」

主宰している「外あそびtete」の活動のひとつ、親子で山道を歩く「おやこ山えんそく」。2歳半から参加できる

─ガイドの仕事はどうしようと考えたんですか?
「自分が関東に行くことでメリットがあるとも考えました。お客さんは遠方から長野に来てくださるわけですから、今度はお客さん側の立場になれるかなと。また、長野にはない低山があることがわかったので、そこでツアーができるかもと。仕事は白馬だけにあるのではなく、見方を変えれば、どこでもできるんじゃないかって」

─ポジティブですねぇ(笑)。
「登山ガイドを経験したことで、少しだけ自信がついたのかもしれません。大げさかもしれませんが、家族と山さえあれば、どこでも暮らしていけると」

─素晴らしい! ところで、お子さんのいる女性登山ガイドも珍しいですよね。
「みなさんはどうしてるんだろうって、ずっと思っています。前例をまったく見つけられなかったので、自分を信じて、自分のやり方を確立していくしないかなと……。子どもを置いて山なんかに行って……みたいなネガティブな考えはありませんでした。私が健康であることが一番だし、子どもにも伝えたい仕事でしたからね」 (後編に続く)

Text / Chikara Terakura
soto6号(双葉社スーパームック)より転載


栗田朋恵
1979年長野県小谷村生まれ。トレッキングガイド、信州登山案内人。白馬山麓で生まれ育ち、東京生活を経て、20代後半でガイドに転進。現在、神奈川県鎌倉市をフィールドに、女性や親子が取り組みやすいトレッキングやアウトドアフィールのツアーを企画。親子の山歩きを提案するワークショップ『外あそびtete』主宰。2児の母親。
www.teteasobi.com


Impression 栗田朋恵のアイテム
ウィメンズセイバー3ミッドオムニテック YL5259

軽登山に活躍するミッドカットのトレッキングシューズ。靴底の厚みやくるぶしを覆うしっかりした丈があり、足をサポートしてくれます。
全体的にバランスが良く、お気に入りです。友達が初めて山に行きたいと言ったら、まずオススメしたいシューズです。


2016/05/19

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