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BEACH CAMP IS...

ビーチキャンプの魅力

夏本番の季節、思い浮かべる遊びといえば、キャンプ、海水浴、BBQなどのアウトドアレジャーですが、これから注目したいキーワードは“ビーチキャンプ”です!ビーチキャンプの魅力はそのアクティビティの幅広さ。海水浴や釣りをはじめとする海遊びを楽しみ、BBQでおなかを満たす。夕日を眺めながら自然を感じ、夜は焚き火を囲んで疲れた体を癒やす。ちょっと海に遊びにきただけではせわしなく帰るところを、一日フルで遊び倒せるのです。今年の夏はビーチキャンプで夏の思い出を作ってみませんか?

SET UP

山キャンプに慣れている人もキャンプビギナーも、ビーチキャンプの場合少し勝手が違うことを把握したうえで設営を始めよう。ここではテントやタープの設営に必要な豆知識を紹介する。

3つの対策が必要

砂浜での設営において、特に注意をしたいのは、砂、風、日差しの3つ。整備されたオートキャンプ場でない場合は、専用ペグか別の方法での設営が必要となる。また、海という立地のため、防風林や日陰となる木々が少ないなかでの、風と暑さ対策が求められる。

テントセットアップ

ペグ打ち方法が異なる以外に、注意したいのは、風による砂の舞い上がりだ。風向きを考慮してテントの入り口を決めないと、風が吹いたとき中に砂が入ってしまうので要注意。テントに入る前は足についた砂もしっかり払おう。
タープの強敵は風だ。風にあおられて飛ばされてしまうほか、強風でポールが曲がってしまうこともある。昼は海側から、夜は山側から風が吹くことが多いので、海に対して直角にタープを張ると、タープ内を風が通りやすくなる。
日差し
ビーチキャンプでは熱射病をはじめとする、熱中症対策が欠かせない。ダイレクトな日差しと、砂浜の照り返しによって、体温の上昇や体の水分が奪われてしまう。帽子の着用のほか、こまめな水分補給は欠かせない。

サンドペグでテント設営

ビーチでの設営には、軟らかい砂上でも抜けにくい専用のサンドペグがおすすめだが、なくても土のう袋を使って設営する方法もある。風にあおられてペグが飛んでくるような危険なシーンを回避できるが、強風だと結び目がほどけたり袋が切れたりするので油断はできない。

テントセットアップ

使えるペグの種類
ペグ
V字ペグ、サンドペグ、スクリューペグも砂浜や軟らかい芝生などに適したペグ。スクリューペグは手で回して使用する。
ペグ
テント購入時に付属されているプラスチックのペグ。硬い地面では役立たずだが砂浜ではよく効くため、思わぬ出番となる。
レジ袋を使う場合
土のう袋、または数枚重ねたレジ袋に砂を詰め、口をしっかりと縛って土のうを作る。これをフライシートのガイライン分作る。
インナーテントはペグで設営。しっかりと地面に埋めること。ペグが抜けないように上から砂をかぶせる。
フライシートをかぶせ、ガイラインのロープの先に土のうをしっかりとくくりつける。砂の中に土のうを埋めて固定する。

FUN

ビーチキャンプでできる遊びはたくさん!キャンプ場選びの際は、事前にビーチトレッキングやりたいことができる立地か、または施設が充実しているかを調べて決めるのがおすすめだ。

釣りFISHING

磯からの釣りももちろん楽しいが、もっと自由に釣りを楽しみたい人は、せっかくならばカヤックフィッシングにも挑戦してみては? その際はフィッシング・カヤックや、シット・オン・トップ・カヤックと呼ばれる足元が自由でクーラーボックスを乗せられるタイプのカヤックがおすすめ。波が穏やかな地域を選び、潮の満ち引きなどを見て予定を立てよう。

カイトKITE

遮るものがない海だからこそできる遊びのひとつとして、カイトは子どもたちにも大人気。ビーチは風が強い傾向にあり、比較的簡単に上げやすい。また近年では、2本または4本のラインで操縦する、スポーツカイトも注目を集めている。

磯あそびPLAYONG AT THE BEACH

海遊びの定番、磯遊び。カニやヤドカリなどを探してみたり、貝殻や流木を集めるなど、小さな子どもでも比較的楽しみやすい。水中メガネやシュノーケルがあると、より一層楽しめるはず。ただし、擦り傷や切り傷をつくりやすい場所なので注意。

ビーチトレッキングBEACH TREKKING

海岸沿いをコースに入れたトレッキングは、山トレイルよりも風景の変化が大きく見応えのあるコースが特徴。日本各地の島を中心にコースが用意されているほか、山陰海岸ジオパークトレイルや、広島湾岸トレイルも海を堪能できるコースとして有名。初心者の場合は、海岸沿いを端から端まで歩き、漁村やビーチの風景を楽しむだけでも充分なトレッキングになる。

ハンモックHAMMOCK

ゆったりと流れる時間をより快適なものにしてくれるハンモック。子どもたちは特に大喜びするアイテムだ。固定する木々が少ない砂浜では自立式ハンモックや、ハンモックスタンドが大活躍。ちょっとお昼寝なんてときにあると便利な一品。タープや木陰のないところでくつろぐ場合は、日焼けに気をつけて。

スラックラインSLACKLINING

いわゆる綱渡りの進化系。もともとはロープの上でバランスを保ちながら、ジャンプや宙返りを決めるスポーツ競技。最近ではアウトドアシーンの遊びとして、幅広の専用ロープが発売されている。上下左右にグラグラと揺れながら渡りきるスリリングさがおもしろい。万が一落ちても砂浜ならば少し安心。

フレスコボールMATKOT

ブラジル発祥のビーチスポーツであるフレスコボール。ペアになり、ボールを落とさないようにどれだけラリーを続けられるかを競うスポーツなので、体格差などを気にせず、子どもから大人まで楽しむことができる。また、ボールが比較的重いので、風の強いビーチでも影響を受けずに楽しむことができる。ラケットのデザインも多種多様で、カスタマイズできるのも魅力。

シーカヤックSEA KAYAK

広大な海を悠々満喫できるシーカヤック。岩場や洞窟探索に出かけるなど、遊びの幅をぐんと広げてくれる。急な川下りなどがない海では、シット・オン・トップ・カヤックやインフレータブルカヤックのほうが自由で、使い勝手がよい。必ず、ライフジャケットを着用し、水分を持って海に繰り出そう。

SUPヨガSUP YOGA

SUPとは「スタンドアップパドルボード」の略。サーフボードよりも大きく、安定したボードの上でクルージングすることに加え、ヨガを楽しむ人が増えている。体幹が鍛えられるほか、海に浮かび、自然を感じながらヨガを楽しむことで、室内で行なうヨガよりも一層の開放感を得ることができる。

焚き火BONFIRE

キャンプの醍醐味である焚き火。焚き火はFUNでもあるが、日が暮れて気温が下がるにつれて、明かりとなり、暖をとるためにも重要な手段となる。どこから流れ着いたのかもわからない樹種もバラバラな薪を集めて、ビーチキャンプならではの焚き火を堪能しよう。ただし、肌を露出した服装ではやけどの恐れがあるので注意すること。化繊の衣類も火の粉で穴があきやすい。

CAUTION!!

  • 焚き火禁止区域では行なわない。また、直火禁止のキャンプ場が多いので、きちんと焚き火台の上で行なうこと。
  • テントに近い場所で焚き火をするのは避けたい。海辺は風向きが変わりやすく、化学繊維のテントは引火の恐れがある。
  • 炭や燃えかすの木を放置していくのはご法度。消火後は灰捨て場、または持ち帰りをする。

火を起こす

ビーチには流木が転がっているので、さまざまな薪を燃やせるのも楽しい。とはいえ、薪として使うためにはしっかり乾燥しているものを選ぶこと。ビギナーは薪の持参がおすすめ。
ビーチは地面が軟らかいので、地面に太めの薪を敷いて、その上で薪割りを行なおう。薪で刃をたたく「バトニング」という技術であれば、ナイフ1本でも薪割りはできる。
消し炭は火消し壷に入れて蓋をして消火する。消火しきれていない炭に水をかけるのはやけどのもとになる。また、熱を保った状態で地面に埋めるのもNG。

GOODS

ビーチキャンプに必要な道具・装備は通常のキャンプと大きくは変わらない。使い勝手のよさで自由に選ぼう。ただし、服装は日差しや熱中症対策を心がけること。

LIVE

テント

ビーチキャンプではテント地まで車で乗り入れるのは難しい。軽量化された山岳テントがおすすめ。

タープ

強い日差しを避けるためにもタープは欠かせない。UVカットできる遮光性の高いものを選びたい。

チェア&テーブル

砂まみれになるのを避けるためテーブルは欲しい。チェアを用意するなら脚が沈まないものがよい。

EAT

クーラー&ジャグ

水分補給が必須のビーチキャンプ。クーラーボックスもウォータージャグも欠かせない。

バーナー

調理は焚き火や炭火でできるが、バーナーがあると便利。ガスを保管するときは直射日光は避ける。

食器&カトラリー

割り箸や紙皿は風に飛ばされやすいので、食器やカトラリー類はアウトドア用のものがおすすめ。

SLEEP

シュラフ

ビーチでも夜になれば冷え込む。スリーシーズン用では暑いかもしれないが、ブランケットは欲しい。

マット

折りたためるマットが手軽。地面が熱い場合は、アルミ蒸着面を地面側に向けると軽減できる。

LAMP

ランタン

焚き火と月明かりだけでも充分そうだが、ランタンは暗くなってから調理する場合に重宝する。

ヘッドライド

ナイトビーチの散策や、夜行性の生き物観察などで活躍するヘッドライト。両手が使えて便利。

WEAR

日差しが強いときは首の後ろまで遮るハットがおすすめ

風が強くてやや肌寒いと感じるときにはジャケットを

紫外線から身を守る

紫外線を遮断するサンプロテクション機能「オムニシェイド」を備えたハットや上着がおすすめ。

サングラス

まぶしいお日様の下にいると目も疲れる。UVカット機能のあるモデルを選んで大切な目を守ろう。

日焼け止め

強い日差しから肌を守るためにも日焼け止めは欠かせない。紫外線対策は、曇りの日こそ油断禁物。

快適な着用感が理想的

肌に直接触れるTシャツは、優れた吸水発散効果を発揮する「オムニウィック」を備えたモデル。

サンダル

砂砂が入っても気にならないサンダルがベスト。かかとがホールドされるほうがアクティブに動ける。

水筒

熱中症対策のためにも、こまめに水分補給ができることが理想。保冷力のある水筒がなおよし。

熱い日にもドライで快適

冷却剤を含む「オムニフリーズゼロ」搭載の生地は、汗を利用して生地を冷やす効果で着心地抜群。

ファーストエイドキット

ケガや、気分が悪くなったりしたときのために、ファーストエイドは備えておいて間違いない。

CAUTION!!

ウォーターサイドでの服装には、撥水性・防汚性に優れたパンツと、冷却機能を備えたTシャツをチョイスしたい。また、肌寒くなってから羽織れるアウターも押さえておこう。ハットやサンダルもマストなアイテム。とにかく、大敵である気温と紫外線対策を欠かさないことだ。

LOCATION

ビーチキャンプに最適な、各地の人気キャンプ場をピックアップしました。好みのロケーションや目的に合った、自分にぴったりなキャンプ場を選びましょう。シャワー完備のキャンプ場でなら安心して楽しめるはず!

大洗サンビーチキャンプ場

大洗サンビーチキャンプ場

キャンプ場からビーチまで徒歩5分という好立地。場内からは太平洋を眺めることができる。24時間利用できる温水シャワーや、バリアフリーのトイレやシャワーが完備されている。併設する「大洗海の大学」では、サーフィン教室、ヨット体験などの自然教室を開催している。

所在地:
茨城県東茨城郡大洗町大貫町1212-57
TEL:
029-267-2234
オートサイト入場料:
大人300円、小人200円
オートサイト使用料:
電源付き1泊4,500円/
電源なし1泊2,500円
オートサイト数:
55区画
開設期間:
年中無休(11月~ 3月のみ火曜定休)
アクセス:
常磐自動車道水戸大洗ICから車で約10分
HP:
http://sunbeach-camp.org/

九十九里浜シーサイドオートキャンプ場

都心からほど近く、抜群のロケーションにあるキャンプ場。露天風呂、シャワー棟、多目的ウォシュレットトイレなどの充実した設備で、小さな子ども連れのファミリーをはじめ、女性キャンパーも安心して快適なキャンプを楽しむことができる人気のキャンプ場だ。

所在地:
千葉県匝瑳市野手17146-935
TEL:
0479-67-3899
サイト使用料:
700円~
キャンプ一泊料金:
大人1,600円~、小人500円~
オートサイト数:
180区画
開設期間:
通年
アクセス:
銚子連絡道路横芝光ICから約15km
HP:
https://www.kujukuri.co.jp/

白崎海洋公園

キャンプ場の周りを真っ白な石灰岩が取り囲み、真っ青な海とのコントラストは、まるでエーゲ海を思わせるような幻想的なロケーション。キレイな炊事場にトイレ、大浴場も完備しており、キャンプはもちろんのこと、設備の充実したログハウスやバンガローも大人気。

所在地:
和歌山県日高郡由良町大引960-1
TEL:
0738-65-0125
オートサイト入場料:
5,500円~
オートサイト利用料:
大人500円、小人250円
オートサイト数:
5区画
開設期間:
通年
アクセス:
阪和自動車道・湯浅御坊道路広川ICから約25分
HP:
https://www.shirasaki.or.jp

丸山県民サンビーチ

瀬戸内海国立公園内に位置し、小豆島をはじめ瀬戸内の島々を眺めることができる。無料のキャンプ場で、炊事場や冷水シャワーも使用でき、多くの人が海水浴、釣り、キャンプとさまざまな目的で訪れる。近隣には赤穂温泉もあり、ゆっくりと体を休めることができる。

所在地:
兵庫県赤穂市尾﨑字丸山2296-3
TEL:
0791-43-6839
利用料金:
無料
サイト数:
すべてフリー
開設期間:
通年
アクセス:
山陽自動車道赤穂ICから約15分
HP:
http://www.city.ako.lg.jp/

Q&A

いざ、ビーチキャンプをするにあたって気をつけておくべき点をおさらいしておこう。海沿いだからこそ、一般的なキャンプに比べて楽しみが多い一方で、気をつけるべき点も多くなる。

Q どこでやっていいの?
A キャンプ場がおすすめ
私有地や禁止区域でなければどこでもOKだが、管理されていない場所で行なうのは、その分さまざまなリスクを負うことにもなる。安心して楽しむのであれば、キャンプ場として運営されている場所がおすすめだ。焚き火の後片づけをしっかりする、ゴミの不法投棄をしないなどは、どんな場合でも同じ。
Q 海水浴をしていいの?
A 遊泳エリアを守ろう
海水浴場では決まって「遊泳禁止エリア」がある。「急に深くなっている」「潮の流れが複雑で危険」など、浜辺からではわからない危険な場所を旗やブイなどで明示している。これらのエリアをきちんと守ることが大切だ。子どもから目を離さない、アルコールを摂取して海に入らない、これらも当たり前のことだ。
Q ケガをしたり病気になったら?
A 事前に医療施設を確認
どこでキャンプするにしても重要なことだが、キャンプ地近隣の医療施設は事前に調べておこう。救急車を呼ぶべきか、今すぐ病院に行くべきか、迷うようなときは「#7119」で相談することができる。また、海での事故の緊急連絡先は海上保安庁が運用している「#118」。覚えておこう。健康保険証も忘れずに。
Q ほかに気をつけることは?
A 天気には敏感に
とにかく天気に注意が必要。前日や当日朝の天気予報を信じても、そのとおりの天気で一日が終わるとはかぎらない。海沿いは頻繁に風向きが変わったり、沖合の天気次第では身近な波にも影響を及ぼす。その場が天気でも、遠くの空の雲行きが怪しくなったら、最新の天気情報を入手しよう。
ATTENTION!!
近年の焚き火人気で、ビーチを含めた水辺の観光地で焚き火やBBQを楽しむ光景を目にすることが増えました。それと同時に、利用者のマナーが問われています。BBQを楽しんだ後に、炭を砂浜に埋めて帰った利用者がいました。その上を何も知らずに裸足で歩いた子どもが足裏をやけどする事故が起きています。すべての人と共有するビーチという開放感のある場所だからこそ、誰の迷惑にもならないよう気持ちよく遊びたいものです。
SUPERVISION
TAKADA MASARU(HERO)
ILLUSTRATION
MASASHI TAKEDA
DESIGNER
DAN KATO(gaimgraphics)
PROOFREADER
ICHIRO TOBA
EDITOR
MASATO IGARASHI
YUSUKE WATANABE(FIG INC.)
EDIT BY
(Yama-Kei Publishers Co., Ltd.)