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第1回 中国 雲の上を歩く、という奇跡を求めて中国の霊山へ 1ページ目 2ページ目

いよいよ崋山に向けて出発。途中、世界遺産「秦始皇兵馬俑博物館」に立ち寄る。等身大の焼き物であまりにも有名だが、初めて目にすると圧倒される。その数と規模に。今は粘土色のものだが、発見当時は綺麗なブルーなどの装飾に彩られていたという。寄り道して時間を忘れていたが、入山時間が迫っていることが判明。慌ててドライバーに伝えると、なぜかサングラスを掛けた途端、猛スピードで高速をぶっ飛ばした。ものすごい怖かった……。

西安から約120km。峻険な嶺がそびえ立つ「崋山」に着いた。早速、登り始める。この山は岩がむき出しになっていて、所々に松の木が生えている不思議な景観を持っている。そして、固い岩盤を一段一段削って階段が作られ、それが登山道となっている。人生でこんなにたくさん階段を上ったことがあるだろうか。だいたい道幅は70cmくらいしかない。崖っぷちを常に歩いているような感覚で眼下を望めば、人が蟻のように連なって見えた。

夕特に長く角度のきつい「蒼龍嶺(そうりゅうれい)」や90度を超える鎖場をなんとか通過して、遂に50cm幅のない世界一危険な道「長空桟道」にやってきた。思わず足がすくむ恐怖に襲われながらも、ここからの風景は「奇跡」と呼ぶにふさわしいと思った。まさに雲の上を歩いている感覚。桟道からの眺望は、いくつもの山々が下に見えて、まるで長い階段を登ってきたご褒美のようだった。でも通常はハーネスを付けるんですが……。

危険な道は「長空桟道」以外にもたくさんあった。山を登るというより、岩をつたいながら、鎖を握りしめながら行かないとたどり着けない場所もあった。上から見るとその恐怖が分かってもらえると思います。昔、唐代の僧侶が恐怖のあまり遺書を谷底に投げ、自らも身を投げた、という伝説を張さんから聞かされていたが、妙に説得力があると思ってしまうほど険しかった。グリップの効いたシューズがこんなに心強いと思ったことはなかった。

きつい道のりで楽しかったのは、中国の人との出会い。みんなで励ましあって登っていくのが新鮮だった。国内観光旅行が大ブームの中国とあって、崋山にも沢山訪れていた。みんなウキウキした顔で写真撮影。途中、山の宿で夜を過ごした。そこで出会った大学生たちと仲良くなり、いろんな話をした。「日本にもこんな山あるでしょ?」「ないない」「いや、あるでしょう? 富士山が」「気軽な装備でここまでスリルを味わえる山はないって!」

東側の山頂「朝陽峰」がこの旅のゴールだ。薄らと周囲が明るくなってきて太陽の光が射すと、みんなの歓声が響き渡った。雲の上を歩くような山からの奇跡を見たい、というだけでここまで来てしまったが、疲れも吹き飛ぶ風景にしばし時間を忘れるほど感動した。山頂には赤いリボンと南京錠が無数に結びつけられていた。同じように、僕たちも一つがっちりと結びつけてきた。撮影も順調に進み、何より無事で良かった。崋山、オススメです。

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