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第2回 流氷を歩く、という奇跡を目撃しに世界遺産・知床へ
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東京から知床の玄関口である北海道・女満別空港へ。吹き荒ぶ冷気の中、車でウトロ側を走る。斜里町市街地を越え、ヘリコプターに乗り込み空から接岸する流氷や、半島の特異な地形を目に焼きつける。その先の断崖絶壁「能取岬」では、流氷を猛烈な横なぐりの風に吹かれながら眺めた。時折、知床の雪深い森をスノーシューを履いてトレッキング。雪のウトロ温泉で身体を温めつつ、待望の海全体が凍り付いた海の上を歩いた。

ウトロ側に海岸はほぼ存在せずひたすら断崖絶壁が続いている。中央には羅臼岳(1661m)や斜里岳(1547m)などがそびえ立つ。そして豊かな森は、冬期は全面雪に閉ざされてしまう。許可無く世界遺産の森に足を踏み入れることはできないので、ウトロ側を走りながら注意深く歩けそうな場所を探し森に入った。スノーシュー無しでは前に進むことすら困難だった。

流氷はいつどこに漂着するか分からない。親切な地元の人にスポットを聞きながら車を走らせる。立ち寄った能取岬で、全面凍結ではないが流氷の一部を発見。一部といってもとにかくスケールは巨大だった。あまりの感動に断崖絶壁の下から海を見ようと進もうとするが、猛烈な風で身体が吹き飛びそうになる。海からの風に身を預けながら、鳥のように雄大な景色を眺めた。

国道244号沿いで風情溢れる一両列車、釧網本線を発見。平行するように進むと止別(やむべつ)駅に着いた。

これがまた、情緒漂う小さな木造の無人駅。映画のロケ地にもなったこともあるという。しばし車を止め、駅の中を散見してみた。小さな喫茶店が一軒あるだけで何も無いが、傍らに置かれた歴史ある雪かき道具などが整然と並び、時を経た風合いで残っていた。

冬の知床の森は天気が変わりやすかった。マイナス5度ほどのキリッとした冷気の中、青空がのぞいたと思えば数分後に猛吹雪となることも度々あり、体温は急激に奪われる。広葉樹と針葉樹が混成された奇跡ともいえる原生林は、樹齢数百年を優に超えるとガイドは教えてくれた。昔の人は山で道に迷ったときは白樺を目印にして進み、時に可燃性の良いその樹皮を燃やし暖を取ったとか。

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