TRANSIT 07 小豆島特集 traveling Around the World Top TRANSIT.ne.jp

第7回 101年目のオリーブの島、小豆島を行く、小さなお遍路旅
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東京から飛行機で1時間15分。一路、香川県・高松へ。空港から今度は車で、玄関口高松港へと向かう。1日15本ほどでているフェリーへ乗ること約1時間、やっと小豆島へ到着。小豆島は、瀬戸内海で淡路島の次に大きな島で、人口は約3万人。日本でのオリーブ栽培の先駆けとなった場所としても知られる。この旅での一番の目的は「お遍路」。本場四国のお遍路の10分の1の規模とはいえ、霊験あらたかな道として人々の信仰を集める。札所を巡る間に、いくつも美しい風景に感動しつつ歩を進めた。一夜明け、目指したのは日本三大渓谷美の一つ「寒霞渓」。島一番の眺望を求め山道を進んだ。

小豆島に着いて真っ先に向かったのは、2008年で植樹100周年を迎えたオリーブ林。つまり2010年の今年は102年目あたる。数百本のオリーブの木が茂り、道はところどころ枝でトンネルのようになっている。しばらく進むと少し開けた場所にでた。そして目的の木が私の目の前にあらわれた。小豆島に最初に植樹されたオリーブの木だ。単純に考えて樹齢は100年以上。ねじれ、うねり、上へと枝を伸ばす姿がその年月を感じさせる。幹に手を触れ私は想う。この木が見てきたであろう風景を。

古木に別れを告げまた歩き出すと、少し日本では見慣れないものが見えて来た。純白の風車だ。風力発電用のシャープなデザインと真逆の、ヨーロッパの田舎にありそうなレトロなデザインがかわいらしい。緑のオリーブ林と相まって目に鮮やかだ。風車の由来を園内で清掃していた人に聞くと、小豆島と姉妹島提携を結ぶギリシャ・ミロス島との友好の証しとして1992年に建てられたものだそうだ。暖かな日差しのなか、異国情緒をちょっとだけ味わった。

さて、そろそろ目的地に向かわなくてはいけない。しかし、向かう途中目にした看板がまた足を止めさせる。ここは小豆島の中心地、土庄町。看板には「迷路のまち」とある。首を傾げつつ路地へと足を進める。一歩、路地に入ればどこか昔懐かしい雰囲気。右へ左へと気ままに歩く。確かにこれは迷路のまちと呼ぶのにふさわしいかもしれない。後から聞いた話だが、これは14世紀に起こった南北朝の動乱の戦いに備え、敵の侵入を妨げるためこのような造りになったという。

今度こそ目的地にと思った矢先、また面白そうな看板が私の寄り道ゴコロをくすぐる。「エンジェルロード」。オリーブ、迷路、そしてエンジェル。ここはなんて興味深い島なのだろう。結局誘惑にまけて、またもや寄り道。エンジェルロードとは、1日2回の干潮時にしか現れない小豆島にほぼ密接している弁天島と、その沖に浮かぶ4つの島を結ぶ砂浜の道のこと。この場所で手をつないだカップルは幸せになれるという言い伝えがあり、毎日恋人達で溢れるデートスポットだ。

やっと旅の大きな目的の「お遍路」へ。目指すは、小豆島遍路の中でも1、2を争う難所の山岳霊場「笠ヶ瀧」。到着して私の目の前に現れたのは“崖”と表現してもいいような天然の階段だった。あまりの急角度に、上を見上げ呆気にとられてしまった。鎖にしがみつきながら一歩一歩、足元を確かめながら登る。悪い足場をしっかりつかりつかんでくれる、コロンビアのブーツが安心感を与えてくれる。息が上がりながらも札所へ到着。洞窟の中に佇む不動明王に手を合わせ、一息つく。振り返ると眼下には緑の森と山々が陽に照らされ、鮮やかに輝いていた。

バックナンバー

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