鹿児島空港から屋久島へは飛行機(1日6往復)で40分ほど。島内の移動はレンタカーが便利。初日は島をぐるりと外周しながら、安房漁港や猿川のガジュマル、平内海中温泉、大川の滝、西部林道などを散見し、明日からの撮影に備える。島の植生は、下は海抜から上は1700mあたりまで垂直に分布。よって外周から一歩山に分け入れば、深い森が広がっている。
朝4時に起床し、宿で用意してもらった弁当を持って出発。縄文杉へ向かうトロッコ道は、時折小川に架かる鉄橋を渡り、延々10時間を要する。空が蒼白く輝き出す寸前の神秘の時間。登山客は中高年を中心に集まっていた。装備は本格登山スタイルで。取材班は、白谷雲水峡へ抜ける道が工事のため、縄文杉へのトロッコ道を途中まで歩き、雲水峡方面に針路を取る。
屋久島観光協会に所属するガイドさんは強い味方。今回はトロッコ道から「楠川分れ」で分岐して白谷雲水峡へ向かうトリッキーなルートのため、様々なアドバイスをもらった。さすが地元出身、山を知り尽くしている。屋久島が世界遺産に登録されてからは、さらに観光客が増加したという。マナーの向上や、トイレの問題など貴重な意見を伺いながら歩いた。
雲水峡遊歩道のどんつきまで歩き、「さつき吊り橋」から原生林の森に足を踏み入れた。決まったコースは存在せず、木々にくくりつけられたリボンと、うっすらと残る踏み跡が頼り。深い緑に囲まれた森は、神秘のベールに纏われている。何ともいえない濃い森の香り、湿ったマイナスイオンに身体が包まれる。360度すべての緑を写真に収めたいと思った。
「ヤクスギランド」にてひと休み。かわいい名前の森林公園だが、その道程は巨大な屋久杉が点在する荒々しい森だ。「千年杉」や「ひげ長老」などの古参の大杉に交ざって、若い木や植物も育っている。江戸時代に伐採された切り株の上には、周辺から飛来する種が受精し、樹木が再生されていた。やはりここでも突然雨が降り出した。レインジャケットは必須。
屋久島は切り立った独特の地形ゆえ、急流の滝が数多く存在する。森を歩いていると必ず聞こえてくる水の音を辿っていけば、大小様々な滝を見ることができる。写真は落差80mを誇り、日本名瀑100選に選定されている「大川(おおこ)の滝」。降雨の少し後だったので、周囲の水が滝に集まり、大きな水しぶきをあげていた。滝壺の間近まで近づくことができる。