上田瑠偉選手 Columbia Montrail 2017 最新シューズ解説
2017/03/17
昨年、UTMBのCCCカテゴリーで準優勝を果たし、今年は更なる活躍が期待されるトレイルランナーの上田瑠偉選手。
一方で、Mountain HardwearやColumbia Montrailのマーケティング担当としての顔も持っています。そんな上田選手にColumbia Montrailシューズのラインナップを紹介してもらいました。
――さっそくですが、MontrailからColumbia Montrailになって何か変わったことはありますか?
ロゴが変わりましたが、大きくは変わっていません。シューズ名をそのまま引きついでいるものも多く、カラーリングやデザインがアップデートされたくらいです。モントレイルが今まで培ってきたトレイルランニングのノウハウを継続し、シューズに関していえば、コロンビア色というより、モントレイル色を引き継いだ感じです。しいて言うなら、コロンビアの最新防水テクノロジーを融合した「カルドラドⅡアウトドライエクストリーム」が追加されたのと、コロンビアのテクノロジーが入ったトレラン用ウェアが追加されたところでしょうか。
僕は、新しいアッパーのデザインやカラーリングが気に入ってますし、かっこよくアップデートされているなと思います。
シューズの性能についても、実際に使ってみて不安もないですし、性能や履き心地で選ぶユーザーにも信頼されるブランドであり続けると思います。
――リブランドしてオススメのポイントはありますか?
シューズについては元々良いものなので、ブランド名が変わったからといって、オススメポイントが変わるわけではありません。
コロンビアというブランドが入って、より多くの人の目にとまるようになったので、エントリー層が増えてトレイルランニングの裾野が広がるのではという期待はあります。
――2017年春夏のカタログを見るとシューズが3つのカテゴリー「TRAIL RUNNING」、「MOUNTAIN RUNNING」、「F.K.T.」と分かれていますが、それぞれどのような特徴がありますか?まずはTRAIL RUNNINGから教えて下さい。
「TRAIL RUNNING」は、割と走りやすいトレイル(道)を走るためのシューズカテゴリーです。岩がむき出しのゴツゴツした道ではなく、土や砂利道、林道など勾配が急ではなく、なだらかな走っていて気持ちいトレイルのイメージです。ピークというよりは、森林を抜けていくようなコースに向いています。
高尾や京都一周トレイルの比叡山、九州阿蘇の俵山、信越トレイルなどが向いているトレイルのイメージに近いです。日本のレースなら、大体はこのカテゴリーのシューズでいいのかなと思います。
軽量なので、ロードランナーからトレイルランニングを始める方にも向いているシューズです。比較的、ロードシューズに近い履き心地でクッション性もしっかりあるのでトレイルデビューもしやすいと思います。
TRAIL RUNNING カテゴリー メンズ一覧 │ ウィメンズ一覧
手前は「TRAIL RUNNING」カテゴリーのメンズ カルドラドII
――続いてMOUNTAIN RUNNINGの特徴は?
「MOUNTAIN RUNNING」は、TRAIL RUNNINGのエリアよりも標高が高い、森林限界を越えていくようなところで活躍するシューズです。岩肌が露出したゴツゴツした道でもガンガン使えるよう丈夫に作られていますし、岩で削り取られてしまうので、ソールの溝も深く掘られています。アップデートされたトランスアルプスⅡは、より丈夫な生地に変更になりました。サポートランナーの中川政寿さんが、泥で汚れた後、たわしでごしごしやったけど全然大丈夫だったとおっしゃっていました。メッシュのアッパーに比べて泥が入りにくいのもポイントです。
丈夫な分、重さがあるので、スピードを出したいレース志向の方には向いていないです。クッション性がしっかりしているので、速さではなく100マイルなど長距離の完走目標の方に向いています。ソールも固めなので、ファストパッキングで2,3泊の縦走や登山からトレイルランニングを始める方にもオススメですね。
ぬかるみや濡れた岩でのグリップもいい感じで、僕も登山の時にはトランスアルプスⅡを使っています。
MOUNTAIN RUNNING カテゴリー メンズ一覧 │ ウィメンズ一覧
「MOUNTAIN RUNNING」カテゴリーのメンズ トランスアルプスII
「TRAIL RUNNING」シューズ(左:カルドラドII)と「MOUNTAIN RUNNING」シューズ(トランスアルプスII)のソールの硬さ比較
――TRAIL RUNNING、MOUNTAIN RUNNINGはイメージできるのですが、F.K.T.ってどんな意味なんですか?
「F.K.T.」はFastest Known Timeの略で、特定のコースの走行記録をWEB上にアップして、最速タイムを競い合う新しいトレイルの楽しみ方です。大会に参加するだけでなく、普段の練習でもタイムが競えあえるので、トレイルランの新しい楽しみ方として広まりつつあります。
左からメンズ ログ F.K.T.、メンズ フリューイッドフレックス F.K.T.、メンズ トランスアルプス F.K.T.
――F.K.T.のシューズの特徴はどんなところですか?
“より速く”をコンセプトに作られたカテゴリーです。速さを求める遊びなので、“速さ=軽さ”という軽量性に特化しています。コロンビア モントレイルシューズの中で、軽さNo.1とNo.2がこのカテゴリーにあります。記録を求めるランナー向けなので、走り方や足がしっかりできていることを前提にアッパーを最低限の剛性にして、軽さを求めています。
僕がレースでよく履くログF.K.T.は、軽量アッパーでもソールはしっかりとしています。ソールの溝幅がちょうどいいので泥が詰まりにくいので、土の路面でも滑りにくいです。岩場でのグリップ力が高いので気に入っています。この黄色もけっこう好きな色なので。
ログF.K.T. メンズ │ ウィメンズ
フリューイッドフレックスF.K.T.は、コロンビア モントレイル最軽量のシューズです。アウトソールも最低限で、つま先とかかと側にしかラグ(凹凸)がありません。とにかく速さを求める短いレースや滑りにくい路面のレースに向いています。
フリューイッドフレックスF.K.T. メンズ │ ウィメンズ
トランスアルプスF.K.T.は、トランスアルプスⅡの軽量版。おんたけウルトラトレイルみたいな岩場の多いコースでも速さを求めたい時に履きたいですね。社内でもこのシューズでUTMBのCCC完走者もいるんですよ。
トランスアルプス F.K.T. メンズ │ ウィメンズ
ログF.K.T.のソールパターン
――ありがとうございました。
▼上田瑠偉選手の詳しいプロフィール、全トレラン成績はコチラ
上田瑠偉選手 公式プロフィール
2017/03/17