30歳の新たなステージ。目指すは“フジロック”と“80アップ”
Yogee New Wavesとしては、2020年から現在に至るまでライブやツアーの多くが中止になってしまいましたが、粕谷さんはその期間を“自分自身を高める時間”と考えていました。 「発信できる場が少なくなったし、人前でドラムを叩ける場もなかったので、それこそSNSを使って動画をあげるようになりました。去年からバンドとしても個人としても、だいぶ考え方は変わりましたね。あとはそれこそ自粛の時にGoProを買いました。釣りをするときにも使いましたし、自分のドラムをGoProで撮って、その動画を後から見返して反省材料にしていました」 粕谷さんがこの1年半の成果を見せる場として8月に控えているのが、2020年の延期を経て、今年は開催を予定しているフジロック。Yogee New Wavesは、初日の8月20日(金)に初となるRED MARQUEEに出演予定です。 「僕は2014年にROOKIE A GO-GOで出るまでフジロックに行ったことがなくて。2014年に出た時は大学4年生で体力が無限にあるように思えたし、けっこうギリギリまでほかのアーティストのライブを観て、そのままルーキーに出演しました。あの年は一生忘れられないですね。2017年はフィールド・オブ・ヘブンのステージに出ましたが、その時はもうだいぶ意識が変わってました。出るのが金曜の朝イチでしたが、前夜祭の夜10時ぐらいには酒も飲まずに、ジュースを飲みながらライブを見て。“よし! 明日早いから帰ろう!”とか言ってましたから。その時は“フジロックで次やるならヘブンがいいな”と思っていたのでうれしかったですね。自分たちの時間だけ奇跡的に晴れて、すごく特別な感じがしました」 2020年にフジロックへの出演が決まった際は、メンバーみんなで大喜びだったそうですが、2021年のリアクションは「絶妙でしたよね。その知らせを聞いたあとの第一声は“開催できるといいな”」というもの。それでも今年のフジロックに向けて、Yogee New Wavesとしての準備は始まっています。 「ステージに合わせた演出を考えているところです。今年はやっぱりイレギュラーなので、その中でも状況に合わせた面白いことができないかなってメンバーと話しています。あと最近は純粋にライブのクオリティみたいなところを考えていて。曲のアレンジや自分のスキルを磨く時間だけはたくさんあったので、そういうものがうまく出せる場にフジロックがなったらいいなと思います」 この日、粕谷さんが着ていたTシャツは、毎年恒例のフジロック×コロンビアのコラボアイテム。人気イラストレーターの長場雄さんが描くオリジナルの猫バンド“THE CATS”のイラストがPOPで、イラストとともに描かれたメッセージは「WELCOME BACK FUJI ROCK!」。キュートな見た目とは裏腹に、吸湿速乾機能の“オムニウィック”や紫外線カットの“オムニシェイド”など、フェス向きの機能を備えています。 「普段は古着のTシャツや、デザイン的にもクールなものを着ることが多いので新鮮ですね」 好きなものが身近にあるライフスタイルを送りながら、自分を日々高めている粕谷さん。さらに今年、粕谷さんは節目の30歳を迎え、新たなステージへ進もうとしています。 「音楽も釣りもやっぱ好きなことですし、それをどこまで突き詰められるかが30代なのかなと。釣りも妥協する気はないですし、音楽はもっと妥協する気はない。“個人としてどこまで高められるかはこの30代に掛かっている”って思いながら……最近は生活しています。釣りの目標は、スズキでいうとランカーと呼ばれるサイズ。今はMAXが73cmなので“80アップ”を釣りたい。それが出来たらひとつ格が上がるというか、まだ……上を見たいですね。なので今年は“フジロック”と“80アップ”を目指して頑張ります」 ※ソーシャルディスタンスを保ち、安全に十分に配慮した上で取材を行っております。INFORMATION
プロフィール
Text:ラスカル(NaNo.works) Photos:Masato Yokoyama