ついに登頂!アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロへ 後篇
- 日程:
- 2013.10.15〜2013.10.17
- 投稿日:
- 2014.04.23
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ登頂を目指してやってきたタンザニア。いよいよ、4700m地点にあるキボ・キャンプサイトを越え、キリマンジャロの頂上を目指します。進み続ける道はまだまだ長いけれど、現地ガイドのサイモンさんとともに、いざ、出発!
レポート by W.S(コロンビア スタッフ)

雲海を見ながら、最後のキャンプ地を目指す
3720m地点のホロンボ・キャンプサイトで目覚めた3日目の朝。疲れが確実に蓄積され始めた身体を起こし、朝ごはん。

ここは火星か?目の前は巨大な山、振り返れば雲海
今日も前方には、先を歩くガイドのサイモンさんの姿。その背中を追いかけて歩き続けます。ペース配分に遅れたり、予定外の場所で勝手に休憩しようとすると、サイモンさんのお叱りが飛んできます。彼は日本に行ってみたいそうで、あれこれと質問が飛んでくる。でも、きっと、疲れを感じさせないようにと気を紛らわせてくれているのだと思うと、その優しさがニクい。

標高4100m、最後の水場。
その名の通り、最後の水場。隣には、緊急用のヘリポートがありました。
写真を見ていると、夏の景色のように見えますが、気温は低く、水場は日向でも薄く氷が張っています。
再び出発して、すれ違うのは手押しタンカー。高山病にかかった人は、このタンカーに乗せられて、さきほどのヘリポートに運ばれるわけです。ああ、あれに乗ることだけはありませんように......。

息切れと砂埃に耐えながらあるく、合言葉は「ポレポレ」
ラスト・ウォーター・ポイントを過ぎると、植物たちも次第に姿を消しはじめ、道はごつごつとした岩の転がるラフな道へと姿を変えました。
この先は「サドル」と呼ばれる山岳砂漠(4200-4700mの地帯)。荒々しい風景が男らしくて好きです。
しかし、砂埃がひどく鼻の中が痛い......。空気が薄くて息苦しいのでタオルで覆うのもつらい......。そして、気がつけば人生の最高高度へと突入。写真では平に見えますが、心拍も早く目の前もチカチカしていて、息が切れるのに耐えながら一歩ずつ進むのが精一杯。
スワヒリ語で「ゆっくり」を意味する「ポレポレ」を呪文のように唱えながらゆっくり、ゆっくり歩きます。

4700mキボ・キャンプサイトに到着
そんなこんなで朝から歩き続けて約6時間。やっと、この日の終着である4700m地点のキボ・キャンプサイトに到着!
食事をとり(食欲はないけれど)、早々に仮眠。そう、この後、深夜零時には、いよいよ5895mの頂上まで最も過酷な道のりを一気に登る最終アタックがはじまります。

4日目深夜零時、出発の時
暗闇のなか、出発の支度をします。気づけばたくさんの登山者がリタイアし、スタート地点の4割ほどの人数にと随分と少なくなりました。さらに、この出発前にも無念のリタイア者がふたり。彼らの分の思いも背負っての出発です。
さあ、ここからが本当のキリマンジャロサミットアタック。ここまで来たからには、なにがなんでも絶対登頂します!

そしてみなさん。ここで、重大なお知らせです。
実は......、
この後の道のり、しばらく写真がありません! と言うのも......、なにしろこの道のりが壮絶すぎて、写真なんてとてもじゃないけど撮れたもんじゃありませんでした! 本当にごめんなさい! そりゃあもう、この勇姿をお見せしたい気持ちもあったんですが、本当に無理でした。
※というわけで、ここからはしばらく、回想レポートのみでお付き合いください。
【暗闇のなか、斜面を登る】
足場はゆるくなり、度々足をとられます。そしてなんと、頭上からは恐怖の落石が。そのため、ここでは最短距離の直線で頂上まで進むことができず、かなり距離が伸びてしまうのですが、ジグザグコースで進みます。
一歩進む度にゼーハー...。息も絶え絶えに足はひきずるほどに重い。周りの登山者と同じく膝に手をつき、一歩一歩ゆっくりと進んで行く。そんななかでもガイドのサイモンさんは頭上の落石に注意を払ってリードしてくれます。
グローブは二重に、ダウンも重ねて。それでも止まれば時間だけが過ぎ、一気に体温が下がる。なかには激しい頭痛をうったえる登山者も。それでもみんなどうにか前へ進みます。
山頂まであと100mのところで先に御来光をみることに
暗闇を登り続けて約5時間、5739mのステラポイントを超え、少しというところで太陽が昇り始めてしまいました。山頂で御来光を見るという目標にはあと一歩及ばず。でも、この標高まで来るとそのあとちょっとがつらく長い道のりに感じられます。

5895mのウフルピークに!
そして、ついに。アフリカの最高地点、頂上5895mのウフルピークに!! 4日をかけて、キリマンジャロ登頂です!
終盤は何度も厳しい喝を飛ばされたサイモンさんともハグ&記念撮影! 周りには、感動のあまり泣き出す登山者たち。しかし、正直、疲れすぎて、そして寒すぎて泣けません! それより、途中の落石が恐ろしすぎて本気で涙が出ました......(笑)。

雲海と氷河が広がる世界
最難関の斜面を越え、ここからは少し緩やかな道。目の前に広がるのは、砂漠。雲海。そして、氷河。さらに雲に映るメルー山の影という、世にも不思議な光景。かつては一面に繋がっていたこの氷河も、2020年には温暖化でなくなると言われています。

下山の途へ
息も凍る-5℃の寒さのなか、ひとしきり喜びを噛み締め、登頂者それぞれが思い思いに記念撮影をして下山の途へ。あまりの寒さのため、頂上にはそう長くは居られないのです。
2日前に宿泊した3700mのホロンボ・キャンプサイトまで気に下山します。実は、この下山が疲れた体にかなりつらい。とにかく膝にくる。
疲労が限界値に達したこの日は泥のように眠りました。

帰りは植物を見る余裕もでてきました。
最終日、半日をかけて残りの道のりを下りきります。疲れきった身体にムチを打っての下り坂。それでも、登頂した喜びで心は軽く、標高も下がって次第に頭も軽くなり妙にテンションが上がってきました。登りでは目にもはらなかった植物鑑賞を楽しみます。
この花は、エレファントフラワー。固有種でここでしか見られないそうです。
たしかに像の横顔に見えます。

約5日ぶりに、ゲートに戻ってきました。
そして、ついに下山完了!はぁ~! 長い長い道のりでした! ゲートには同じく下山をした人たちが、祝杯をあげていました。

登頂を祝して乾杯!
キリマンジャロ登頂の目標達成の喜びに酔いしれていたその時、ポーターのフレディ君が、満面の笑みで今日、ガイドに昇格したとの報告。
なんと、僕の登頂を最後に修行を終えることができ(僕がリタイアしていたらどうなっていたんだろう.......)、晴れて一人前のガイドと認められたのです!
もう、うれしくって、みんなでキリマンジャロビールで、乾杯!
キリマンジャロ登頂証明書も頂き、過酷道のりを振り返りながら、それでも、登って本当に良かったと思いました。

>>> スタッフが実際にキリマンジャロに持っていったアイテムリスト
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