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アウトドアガイド 金村孔介(南富良野)│FOCUS vol.3 前編

2016/06/22

目指しているのは山も、川も、森も案内できるガイド。
そんなオールラウンドな指向性はどのように育まれてきたのだろうか。
北海道の自然に囲まれた仕事と、そのやり甲斐に迫ってみた。

Photo / Yosuke Sano

Photo / Yosuke Sano

 北海道内陸部に位置する南富良野町は自然豊かな土地である。「北海道のへそ」と呼ばれる富良野市からクルマで南東に小1時間。北は大雪十勝連峰に接し、東の狩勝峠を越えれば十勝平野。トマムリゾートも近く、町の大半は広大な原生林に包まれている。

 その中心部を流れる空知川ではカヌーやラフティングが盛んで、現在、アウトドアスポーツのガイディングを行う8社のアウトフィッターが活動を続けている。その老舗的存在が1988年設立の「どんころ野外学校」。金村孔介はここで様々なアウトドアガイドを続けている。

金村が所属する「どんころ野外学校」の丸太小屋研修棟。ほかに自炊棟やキャンプ場、五右衛門風呂があり、いずれも手造り

金村が所属する「どんころ野外学校」の丸太小屋研修棟。ほかに自炊棟やキャンプ場、五右衛門風呂があり、いずれも手造り

 ガイドになって今年で10年目の金村は、冬はスノーシューイングとバックカントリースキー、春から夏は登山とリバースポーツ、秋には地域の子ども達のためにクライミングを教えている。

 そんな金村が最初に携わったのは、冬の犬ぞりツアーだったという。かつて馬やロバが生息できない北極圏で、人や荷物の運搬手段だった犬ぞり。植村直己の北極探検でも知られているが、道具がスノーモビルに代わられた現在は、寒冷地のアウトドアアクティビティとして、犬ぞりツアーは人気を集めているという。

 日本では北海道の各地でツアーが開催されている。そのひとつ、この「どんころ野外学校」で犬ぞりツアーの手伝いからスタートした金村は、その後、正式なガイドになって以降はラフティング、バックカントリースキー、登山と守備範囲を広げてきた。

学生時代に経験した犬ぞりツアーがきっかけだった

─登山やリバースポーツではなく、最初が犬ぞりだった、というのも珍しいですね?
「そうかもしれませんね(笑)。大学時代に夏と冬の休みを使って、どんころ野外学校の手伝いをしていたんですが、その時に一番面白かったのが犬ぞりだったんです。それで興味を覚えて、大学2年の冬からは毎年、犬ぞりの本場アラスカに3年間通って、向こうのアウトフィッターで働かせてもらっていました」

─冬になるとアラスカですか?
「そうです。フェアバンクスからセスナで1時間ほど飛んだ所にある北極圏のベテルスという町。オーロラベルトの真下に位置していて、オーロラツアーも盛んな所です。1年目と2年目は1月後半から約1ヵ月。3年目は春まで3ヵ月間いました」

大雪山系南部にあるトムラウシ山(2141m)周辺。遠く十勝岳連峰が望める。この山は、20代の金村が登山ガイドを目指すきっかけになった特別な存在。もちろん、ガイドでもよく通っている

大雪山系南部にあるトムラウシ山(2141m)周辺。遠く十勝岳連峰が望める。この山は、20代の金村が登山ガイドを目指すきっかけになった特別な存在。もちろん、ガイドでもよく通っている

─犬ぞりツアーって、どんな内容なんですか?
「どんころ野外学校では現在3種類のツアーを用意しています。半日、1日、1泊2日のキャンプツアー。アラスカでは最低でも2泊3日、一番長いのでは10泊11日というのがありました。どちらも共通しているのは、お客さんがソリに乗って、ご自身で犬ぞりを操縦しながらのツアーです」

─つまり、お客さんが犬たちの手綱を握るということですか?
「そうです。私たちスタッフは後ろからスノーモビルでサポートします。たいてい、最初は上手くいかないんです。リードが絡まったりしたら私たちが直しますが、まず犬が思うように動いてくれない。ほとんどの方がいら立ちます。言うことを聞いてくれない犬に対してアタマにくるんです」

─植村直己さんの北極圏探検でもそうだったようですね。
「まさにそれです。トラブルを切り抜けながら長い距離を走って、キャンプ地に着く。そうやって犬と仲良くなって、互いの信頼関係を深めていくのが、犬ぞりの一番面白いところです。キャンプ地で一緒にいる犬を見るじゃないですか。そうすると心が癒されるのを感じるんですよ。まあ、もともと犬はかわいいものですしね」

─なるほど。
「南富良野は犬ぞりツアーに適した土地なんです。十勝連峰の裾野に奥深くまで林道が入っていますから、長い距離を走れる。雪は降っても日本海側のような豪雪ではない。夏も涼しいので、犬にとっても暮らしやすい。だから以前は3つの犬ぞりツアーがありました。1つが移転したので、現在はウチともう1社です」(中編へ続く)

Text / Chikara Terakura
soto5号(双葉社スーパームック)より転載


金村孔介
かなむらこうすけ●宮城県出身、37歳。北海道南富良野町にある「どんころ野外学校」所属。アウトドアガイド。山も川も森も案内できるガイドを目指し、夏は登山にラフティング、冬はバックカントリースキーなど幅広くガイドしている。
コロンビアスポーツウェアジャパン・アンバサダー。日本山岳ガイド協会認定登山ガイドほか資格多数。

Impression 金村孔介のアイテム

セイバーミッドプラス YM5260

シャンクが柔らかく、幅も広めなのでとても履きやすく、多くの人の足型に合うと思います。ソールの柔らかさは、岩の上など、でこぼこした登山道の形状を把握しやすくリズミカルに楽しく歩くことができます。また、しっかりとした防水性は濡れた登山道を気にせず歩けるので、怪我の予防にもつながります。
※荷物が重い縦走などの時、もしくは筋力の弱い方はシャンクの固い登山靴で重心の移動を使った歩き方をおすすめします。)


2016/06/22


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