「WIN THE SUMMIT ACADEMY 2025-2026 コロンビア登山学校」の第3回、立山縦走登山が7月12-14日の3日間で行われました。雪渓の残る北アルプス立山で、高山植物や雷鳥など豊かな自然を満喫した縦走の様子をレポートします。
「山のスキルを磨けば、山頂はもっと近くなる。」をテーマに登山知識・スキルの向上を目的とした10回+番外編の計11回の講座を予定している2025-2026シーズンのコロンビア登山学校。日帰り登山から雪山登山やテント泊まで初心者から中級者まで幅広くご参加いただける内容を用意しており、ご興味のある回のみの参加も可能です。
第3回は北アルプス北部に位置する立山で行われました。立山は雄山・大汝山・富士ノ折立の三つの峰からなる山の総称です。立山黒部アルペンルートの最高地点である室堂は、絶景とともに温泉や火山湖が楽しめる山岳観光地。春には高さ20mの積雪が楽しめる「雪の大谷」や「雪の回廊」も人気です。

今回ガイドを務めたのはコロンビア登山学校主任講師の伊藤伴さんです。参加者は男女7名とコロンビアスタッフ2名の計10名。15歳の登山系部活動に所属する女の子や登山学校経験者、日本に来たばかりの外国の方も参加してくれました。他にもエベレスト街道経験者やキリマンジャロ登頂者など経験値の高い方が集まりました。
初日は室堂に集合し、自己紹介の後さっそく靴紐の結び方やザックの背負い方のレクチャーを受けました。参加者同士でも確認し合い、準備を整えたらいざ出発です。

火山湖であるみくりが池を横目に通過し宿泊先の雷鳥荘へまっすぐ向かう予定でしたが、好天に恵まれたため急遽予定を変更し、みくりが池を一周してから向かうことになりました。

周囲の山々は残雪のコントラストが美しく、「どこを向いても絵になる」と参加者は皆、写真を撮る手が止まらないようでした。

小屋に着いてからは談話室で飲み物を片手に経験談に花を咲かせます。キリマンジャロを登頂した方は、山中の様子やその後訪れたサファリの話をしてくださり日本では味わえない光景に思いを馳せました。
今回の山行の楽しみのひとつに、雷鳥荘の温泉がありました。宿には温泉が湧いており、雄大な山々を眺めながら湯に浸かるひとときは登山の疲れを癒してくれます。温泉でリラックスしたあとは、夕食の時間です。

お刺身や天ぷら、陶板焼きと山にいるとは思えない豪華な料理に舌鼓を打ちます。

テントの明かりと星空が綺麗な夜でした。


2日目も朝から好天で、朝日を拝みに外で待機する方もちらほら。
朝食はバイキング形式で、長い行程に備えて栄養あるご飯を各々盛っていきます。

出発前にはトレッキングポールの素材のメリット・デメリットや、サイズ調整の仕方をガイドから学びました。2日目が1番標高差もあり行動時間も長いので、トレッキングポールの使い方が重要になってきます。

雪渓ポイントが出てきたので、雪上の歩き方のレクチャーを受けます。滑りそうで恐々足を踏み出すと足裏の角度でむしろ滑りやすくなる、と聞くと参加者はへっぴり腰にならないようにポールを使いながらゆっくり歩き進めていきました。


雪渓を抜け登山道を歩いていくと、あたり一面に高山植物のイワカガミやチングルマが。白やピンクの花が緑の草に映えると、写真撮影に勤しみます。


急な斜面を登り切ると、絶景の稜線に出ます。真砂岳山頂からは後立山連峰や剱岳が一望できました。
15歳の子からは自撮り講座も始まり、ガイドや参加者がそれぞれ景色との写真を楽しみました。

稜線ではたびたび後ろを振り向き、雪渓と植物のゼブラ柄を見ながら小休憩を取ります。
そしていよいよ立山三山のひとつ、富士ノ折立です。頂上直下は岩場になっているため大きなザックは置いて、山頂を目指します。岩をしっかり掴み滑落に気をつけながら全員で登頂しました。


大汝山の手前には大汝小屋があり、その側で軽食をとって次の山頂への力を蓄えました。
大汝山も同じく岩で構成された山頂になっていて、1人ずつ山頂標識を手に記念撮影をしました。

最後に本日の最終目標、日本三霊山のひとつ雄山を目指します。お昼も過ぎ西側から徐々に雲が上がってきましたが、頭上はまだまだ青空です。
雄山山頂には祠があり、登拝料を払うことでその場でご祈祷をしてもらえます。ご祈祷は各々が思う方向を向き、万歳三唱で終わりました。日本に来たばかりの方もおり、日本の古来から続く山岳信仰に触れることができたのは、霊山に登ったからこそでしょう。

山頂から少し下ると雲が上がってきました。下山時にはトレッキングポールの握り方を変えることで、狭く小石の多い道も安全に下山することができると学びました。


2時間半ほど雪渓の上や石畳を下り、2日目の宿泊施設である室堂山荘に到着しました。この小屋は室堂ターミナルから10分ほどの場所に位置し、温泉に入ることができます。
今回は男女別の個室に泊まることとなりました。
夕食では全員で同じ食卓を囲み今回の山行について振り返りました。
夕食後には1つの部屋に集まり、印象に残った山や地元の話題などで盛り上がりました。


最終日、全員で集まって朝食を食べました。空は晴れ渡っていたのでそのまま解散も惜しく、浄土山に登って一ノ越を経由して周回することとなりました。
朝から風が強かったので、ガイドのアドバイスを元にそれぞれレイヤリングを考えました。
小屋に荷物を置かせてもらい、防寒着や食料などの最低限の装備を持って出発します。


登っている際には肌に風が当たると涼しく感じ、防風素材のシェルのおかげで寒すぎずに心地よく歩くことができました。
帽子などは飛ばされないように紐を締めるなど工夫しました。

1日目とは違う剱岳の尾根や水晶岳など裏銀座と呼ばれる山々の、2日目とは違う方面の展望を楽しむことができました。また、雷鳥の親子にも会うことができて北アルプスの自然をより感じられました。


浄土山山頂では景色を楽しみ、軽食をとって立山連峰の自然を目に焼きつけている様子でした。
下山時には狭い登山道やトラバース時の足の置き方について解説があり、体への力のかかり方を今一度確認できました。

一ノ越山荘を経由し石畳を歩いて室堂山荘に戻ります。
山荘で挨拶をし、今回の縦走は終了です。
解散後は温泉に入ったり昼食を取ったりと最後まで立山を楽しみました。
全日天気が良く景色を存分に楽しみつつ高所登山のスキルを磨くことのできた3日間となりました。参加者同士が経験談などを語り合うことでコミュニケーションが生まれ、他の山へのモチベーションも上がったのではないでしょうか。さらなる山への挑戦に繋がる山行でした。


コロンビア TOKYO FLAGSHIP店
広沢
テント泊を伴う縦走登山を中心に活動しており、最近はトレイルランにも挑戦中。
山と街の繋がりをテーマにしたイラストや立体作品によって、日常の中で山の魅力を感じてもらえるような制作もしています。
店頭ではより多くのお客様にアウトドアを楽しんでいただくためのお手伝いをしております。お気軽にご相談ください。
COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP (@columbia_tokyo_flagship)
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