アウトドアを、ひらく
北海道大学×Columbia Sportswear Japan「アウトドアアカデミー」in 上川町
REPORTED BY 北海道大学 学務部教育推進課
2026年9月2日(水)から4日(金)までの3日間、
北海道上川町を舞台に「北海道大学 × Columbia Sportswear Japan アウトドアアカデミー」を開催しました。
北海道大学、株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン、上川町が連携して実施した、今年度初の取り組みの様子を北海道大学 学務部教育推進課の江澤さんにレポートいただきました。
今回の取り組みでは、Columbiaが掲げる「WE UNLOCK THE OUTDOORS FOR EVERYONE(すべての人にアウトドアをひらく)」という理念のもと、学生に北海道のアウトドア体験の機会を提供。
北海道大学では学生の7割が道外出身で、北海道の自然を十分に知ることなく本州へ帰ってしまうケースも多いという課題から、登山経験の有無を問わず参加できることに加え、登山に必要なウェアや装備を用意。参加費も無料とし、アウトドア経験の少ない学生でも参加しやすい環境を整えました。
また、大雪山エリアで実際に自然に触れながら学べることや、コロンビアスポーツウェアジャパンが包括連携協定を結ぶ上川町の地域・企業との交流を通じて、アウトドアだけにとどまらない学びを得られることも本プログラムの特徴です。こうした内容に関心が集まり、募集開始後には定員16名を大きく上回る応募が寄せられました。
プログラムでは、大雪山・黒岳での登山や地域でのフィールドワーク、企業や地域関係者との交流を実施。学生たちは自然の魅力に触れるだけでなく、地域や企業の取り組みについても学びました。
今回は、その3日間を振り返ります。
まずは、上川町を知るところから
北海道大学を出発し、初日は、まず上川町役場へ。
ツアー概要の説明や町長からの挨拶を受け、これから3日間を過ごす上川町について理解を深めました。
上川町 西木光英町長
今回のプログラムは、アウトドアを体験することだけが目的ではありません。自然の中に身を置きながら、その地域について知り、企業の取り組みに触れ、自分たちで考えることも大きな柱となっています。
その後は町内での昼食後、層雲峡エリアへ移動し、銀河・流星の滝や大函などを見学。
あさひ食堂にて、上川ラーメンを味わう学生たち。
町の方々からも「どこからきたの?」と気さくに声をかけていただき、会話を楽しんでいました
切り立った岩壁や滝など、層雲峡ならではの景観を間近にし、北海道の自然のスケールを体感しました。
今回は参加学生の8割が道外出身者。壮大な北海道の自然に圧倒されています。
宿泊先は層雲峡オートキャンプ場。
学部や学年の異なる学生たちは、コテージでの共同生活や夕食時の交流を通して、少しずつ交流を深めていきました。
雨で予定変更。紅葉谷で「山を歩く」を学ぶ
2日目は、黒岳登山を予定していました。
しかし、当日は雨天となったため、安全を最優先して登山を翌日に延期。
代わって、層雲峡の紅葉谷でハイキングを実施しました。
ガイドを務めたのは、株式会社りんゆう観光代表取締役社長の植田拓史さんです。
株式会社りんゆう観光 植田拓史代表取締役社長
学生たちは実際に山道を歩きながら、登山装備の使い方や安全な歩き方について学びました。翌日の黒岳登山を前に、山を安全に歩くための基礎を身につけていきます。
今回のプログラムでは、コロンビアスポーツウェアジャパンの協力により、登山に必要なウェアや装備も用意されました。
アウトドアに興味はあっても、何を準備すればよいのかわからない。用具を一から揃えるのはハードルが高い。
そんな学生にとっても、アウトドアへの最初の一歩を踏み出しやすい環境がつくられました。
Columbiaが掲げる
「WE UNLOCK THE OUTDOORS FOR EVERYONE(すべての人にアウトドアをひらく)」
という考え方にも、実際の体験を通じて触れていきます。
アウトドアから、地域について考える
午後は翌日に予定していた講義とワークショップを前倒しして実施しました。
まず、上川町東京事務所の三谷航平さんから、オンラインで上川町について説明いただきました。続いて、コロンビアスポーツウェアジャパンの衛藤智さん、五十嵐将人さんから、Columbiaの歴史やブランドの理念、SDGsに関する取り組みについて紹介いただきました。
コロンビアスポーツウェアジャパンマーケティング部
衛藤智ブランドマーケティングマネージャー
そしてここからは、学生たち自身が考える時間です。16名が4班に分かれてワークショップに挑戦しました。
テーマは、この3日間で実際に見て、聞いて、感じたことを、北海道大学・Columbia・上川町につながる具体的なアイデアへと変えること。
次年度のプログラムに参加してほしい学生への募集案について、班ごとに取り組みました。
アイデアの材料にするのは、インターネットで調べた情報ではなく、この3日間で自分たちが実際に体験したこと。
ワークショップでは活発な意見が飛び交いました
心が動いた瞬間や現地での気づきを出し合い、そこからアイデアを絞り込み、具体的な提案へと仕上げていきます。
最後には各班が成果を発表し、北海道大学、Columbia、上川町の関係者との質疑応答も行いました。
学生へフィードバックを行う
コロンビアスポーツウェアジャパンマーケティング部 五十嵐将人さん
体験して終わるのではなく、そこで得た気づきを、誰かに届く形にすることで、フィールドでの体験が、地域や企業のこれからを考える学びへとつながる時間となりました。
最終日、いよいよ黒岳へ
そして3日目。
前日の雨も上がり、延期していた大雪山・黒岳登山を実施しました。
7合目までは、ゴンドラやリフトを利用して向かいます。
前日に紅葉谷で学んだ装備の扱い方や歩き方を実践しながら、いよいよ山頂を目指します。
登山時の大切な心構えについても学びます
普段から登山をしている学生もいれば、本格的な登山は今回が初めてという学生もいました。
岩がごつごつとした道も。
互いに声を掛け合いながら歩みを進め、約1時間半をかけ、参加学生16名全員が無事に登頂。
登山中の雨も止み、全員で記念撮影。
山頂で、ポテトチップスの袋が本当にパンパンになるのかを試す学生も
思い思いに山頂を楽しんだ後、全員が安全に下山し、3日間のフィールドプログラムを終えることができました。
当初の予定どおりには進まなかった今回の3日間。
一方で、自然の中では、天候や環境に合わせて予定を変えることも必要です。
状況を見ながら判断し、安全を確保した上で、そのときにできることに取り組む。予定変更そのものも、自然と向き合うプログラムならではの経験となりました。
体験したからこそ、見えてきたもの
プログラム終了後のヒアリングでは、学生からさまざまな声が寄せられました。
参加の動機は、「北海道らしい体験をしてみたい」という思いだけではありません。
地域の実情を知りたい。
将来のキャリアを考えるきっかけにしたい。
Columbia Sportswear Japanと連携したプログラムだから参加してみたい。
それぞれ異なる関心を持って、16名が集まりました。
実際に参加した学生からは、登山などのフィールド体験に加え、企業の社員との交流やキャリアについての対話、共同生活を通じた学生同士の交流も印象に残ったという声が聞かれました。
また、次年度も開催されるのであれば、今度は参加者を支えるメンターのような立場で関わりたい、という声もありました。
参加する側から、次は誰かの体験を支える側へ。
今回の経験が、その先の関わりへとつながる可能性も見えてきました。
層雲峡温泉黒岳ロープウェイ駅舎内にある「Columbia Field Store 黒岳ロープウェイ店」では、
早速アウトドアウェアに興味を持つ学生の姿が
アウトドアを入口に、学びをひらく
山に登る。
自然を知る。
地域を知る。
企業の取り組みを知る。
そして、自分たちで考える。
今回の3日間では、一見すると異なるこれらの経験が、「アウトドア」という一つの入口からつながっていきました。
Columbiaが掲げる「WE UNLOCK THE OUTDOORS FOR EVERYONE」。
そして、上川町が目指す「感動人口の創造」。
北海道大学、Columbia Sportswear Japan、上川町がそれぞれの強みを持ち寄ることで、学生たちが大学の教室を離れ、自然や地域、人との関わりの中から学ぶ機会が生まれました。
2日目夜にはキャンプ場でキャンプファイヤーも実施。
火を見守りながら、自然と学生が集まっていました
アウトドアに初めて挑戦する学生にとっても、これまでアウトドアに親しんできた学生にとっても、新たな視点や出会いにつながる3日間となりました。
プログラムの実施にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

- 江澤 海
学務部教育推進課共創教育担当 -
北海道大学で、大学と社会をつなぐ共創教育に携わっています。
企業や自治体、地域の方々とともに、学生が実社会に触れながら学ぶ機会をつくり、その魅力や成果を発信しています。
今回のアウトドアアカデミーも、その取り組みの一つ。自然や地域、人との出会いを通じて、学生の「やってみたい」が広がるきっかけを届けたいと考えています。