あと1ヶ月もすれば、コロンビアもオフィシャルサポーターを務める「FUJI ROCK FESTIVAL'26(以下、フジロック)」が開催されます。それに合わせて、今年も両者によるコラボレーションTシャツが発売になります。今回のデザインを手がけたのは、アーティストの河村康輔さん。フェス会場の写真を分解し、コラージュによって再構築した1枚は、“いつでも着られる1枚”を意識してアートワークを落とし込みました。フジロックへの想いも深い河村さんに、そのデザイン秘話と、フジロックとの長い関係について聞きました。
PROFILE
1979年広島県生まれ。コラージュアーティストとしてアーティストとのコラボレーションや国内外での個展、グループ展に多数参加。代表作に大友克洋氏の初の大規模原画展『大友克洋GENGA展』(2012)におけるメインビジュアル、『AKIRA』を使用したコラージュ作品「AKIRA ART WALL PROJECT」(2019)、Oasisデビュー30周年記念バンドロゴ(2024年)などがある。
HP:kosukekawamura.com
Instagram:@kosukekawamura
シュレッダーで解体する、フジロックの景色。
河村康輔さんといえば、国内外のアーティストやブランドから次々とオファーが届く、日本を代表するコラージュアーティストです。モチーフをシュレッダーで細かく裁断し、貼り合わせ、新たなビジュアルとして生まれ変わらせる。2013年からこの手法を取り入れ、これまでに数千点の作品を生み出してきました。
そして、毎年恒例となっているコロンビアとフジロックとのコラボレーションTシャツのデザインを、今年は河村さんが手掛けました。
その制作は、送られてきたフジロックの写真の中から、使用する1枚を選ぶところから始まりました。膨大な写真の中からモチーフとして選んだのは、グリーンステージを映した1枚。
「これ、昨年のグリーンステージの写真なんですけど、実はこの写真にギリギリ映らない場所に、ぼくもいたんですよ(笑)。個人的な思い出もありますし、パッと見てフジロックってわかるので、モチーフはこの1枚にさせていただきました」
元の写真はフルカラー。それをモノクロに変換させ、コントラストを引き上げる。そこから裁断と再構築をすることで、独特なグラフィックへと生まれ変わりました。
あえてモノクロにしたのには、理由があります。フェスのTシャツはどうしても"記念品"と捉えられ、会場で気分が上がり買ったとしても、家に帰ると着なくなってしまいがち。
「ぼくもその経験があるので、いつでも着られるデザインを意識したんです。だからモノクロにしましたし、年号はあえて入れませんでした。フジロックに行く人も、チケットが取れなかった人も、来年行こうとしている人にも着てもらえたらと思っています」
河村さんによってコラージュされたグリーンステージが、フロントに大きくプリントされた1枚。
表面にコロンビアのロゴを、裏面にフジロックのロゴをデザインした1枚も同時発売。これらも河村さんが手がけ、近くで見るとコラージュされているのがよくわかる。
素材は吸湿速乾でありながらコットンライクな肌触り。河村さんもその質感に驚いたといいます。
「最初は化繊のTシャツによくある、テロっとした素材かと思っていたんです。でも実物は、肌触りも見た目も、限りなくコットン。ぼくも普段はコットンTをよく着るので、その点もいいなと思っていて。しかも汗をかいたとしてもすぐ乾くでしょ?ぜひ夏のフェスから街まで、いろんなシーンで着ていただけたらうれしいですね」
2002年から続く、フジロックとの縁。
今回のデザインを河村さんに依頼したのは、アートの魅力はもとより、河村さん自身がフジロックを深く愛するひとりだからでした。
初めて足を運んだのが2002年、会場が苗場に移ってまもなくのことだったといいます。それまでレイブや屋内のクラブが主な遊び場だった彼が、めったに来日することのないソニック・ユースとバットホール・サーファーズを目当てに初参戦。
「初めて行ったときは『お祭りじゃん!』って。その頃はフェスなんて行ったことがなかったし、ただステージだけが並んでいて音楽を聴く場所だと思っていたんですよ。それがもう、音楽以外のイベントも盛りだくさんで。大雨の中、びしょびしょになりながら過ごした3日間でしたけど、とにかく最高に楽しかったんです」
ライブを見ていない時間も、会場内をふらふらして露店をのぞき、遠くで鳴るバンドの音を聴きながら友人と話す。それがフジロックなのだと知ったといいます。
以来、夏の恒例行事となり、ここ数年は毎年参加しているそう。また、河村さんにとってフジロックは、普段なかなか会えない知人たちと、年に一度再会する場でもあります。
「いまはみんな歳も重ねて会う頻度が減っているんですけど、フジロックには、昔からの知人や友人がたくさんいます。なので、ぼくにとってのフジロックは、そうした面々と会える貴重な場所でもあるんです。お互いの生存確認もできますし(笑)」
会場を歩いていると再会の連続で、目当てのステージにたどり着けないこともしばしば。くわえて、フジロックでは朝まで遊ぶことが恒例で、ついつい寝過ぎてしまい、それはそれで見逃すことも。
「でも、フジロックはそれでいいんです(笑)。今年もマッシヴ・アタックだったり、Hi-STANDARDも見たいんですが、どれくらい見られるかな。全日程行く予定ですが、最低でも3組は見たいです!」
ちなみに河村さん、幼少期から釣りが大好きで、テントを張って夜釣りを楽しむような少年でした。インドアのイメージとは裏腹に、アウトドアの経験は相当なもの。そして、その頃に愛用していたのがコロンビアだったといいます。
「コロンビアのダウンと巨大なバックパックを5年くらい使い続けてたんですよ。あるとき、釣り針がダウンに引っかかって、中の綿が宙に舞っちゃっておさらばしたんですけどね。だから、こういう形でまたお仕事ができて、感慨深いんです」
さて、コロンビア×フジロック コラボTシャツは、コロンビア公式オンラインストアと一部直営店ではホワイトを、FUJI ROCK会場とFUJI ROCKオフィシャルオンラインサイトではホワイトに追加してウェットサンドカラーを限定で販売。
フェスの記念品ではなく、これからの夏に着続けられる1枚として、ぜひ手に取ってみてください。
■リーレナウングラフィックシャツ
前面にフジロック会場がデザインされたもの(写真左)と、前面にコロンビアのロゴ、背面にフジロックのロゴをあしらった(写真右)2種類のTシャツが発売される。どちらも、汗をかいてもさらりとした着心地をキープする独自の吸湿速乾機能「オムニウィック」を採用。各¥6,600(税込)
FUJI ROCK FESTIVAL‘26を盛り上げる様々なコンテンツをご紹介
■FUJI ROCK FESTIVAL‘26 × Columbia 特集ページ
Text:木村圭佑
Photo:菊地晶太