南アフリカのサバンナで活躍する日本人女性初の政府公認サファリガイド、太田ゆかさん。過日、彼女を招いたスペシャルイベントが 「COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP」で開催されました。Podcastの公開収録、写真展、1日店長と盛りだくさんの内容とあって、多くのファンが集結。そんなサファリ愛に満ちたイベントの一部始終をお届けします。後半には太田さんのショートインタビューもあるので、お見逃しなく!
PROFILE
ロサンゼルス生まれ、神奈川県育ち。日本人女性初の南アフリカ政府公認サファリガイド。大学在学中に、南アフリカのサファリガイド訓練学校に入学。現地の資格を取得後、2016年からグレータークルーガー国立公園にてガイドとして活動。そのほか野生動物の保護活動や、テレビやラジオ、著書を通し、サバンナの魅力と現状を広く伝えている。
Instagram:@yukaonsafari
YouTube:@yukaonsafari
Podcast:@YUKA on SAFARI
普段は遠く離れた南アフリカのサバンナで、サファリガイドを務めている太田さん。約3カ月ぶりに帰国した10月某日、 原宿・明治通り沿いにある最大規模の旗艦店 「COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP」でイベントを開催しました。
そもそも両者の関係は、太田さんがコロンビアの自然への接し方に共感を抱いてくれたところからはじまりました。その後、ともに高尾山を登ることになり、サファリに帰ってからも太田さんはコロンビアのアイテムを愛用してくれています。
■太田ゆかさんと高尾山に登った記事はこちらから
https://www.columbiasports.co.jp/shop/withoutdoor/yukaota-interview/
サバンナへの想いが溢れる、Podcastの公開収録。
さて、イベントは太田さんが配信するPodcast番組「YUKA on SAFARI」の公開収録からスタートです。多数応募いただいた中から抽選で選ばれた40名が着席し、午前11時に開演しました。
収録ではコロンビアのスタッフを交え、「エコロンビア」の活動についてや、北海道・上川町との連携、フジロックのボードウォーク整備など、アウトドアブランドとして地域社会や環境への貢献の解説を軸に話が進むなか、太田さんがサバンナで愛用しているコロンビアのプロダクトに 話が及ぶ場面も。
▲「ホーソンレイン サイドゴア オムニテック」は、サバンナに馴染むカーキカラーで、毎日のように履いているという。「防水で雨も染みてこないし、何よりかわいくて履いただけで気分が上がるんです!」と太田さん。バックパックは「ワイルドウッド45L+5Lバックパックワイルドウッド」を愛用中。4日分の荷物と3リットルの水という大荷物でも「体にピッタリとフィットするから負担が少ない」と、その魅力を語ってくれた。
後半では、事前に募集した質問に答えるコーナーがあり、アフリカでの食生活、命の危険を感じたエピソード、動物との共生問題など多岐にわたる質問が寄せられました。
特に印象的だったのは「サバンナのど真ん中で車が炎上した」というエピソード。ボツワナの大草原で車が燃え、水も電波もない状況で軍隊に救出されたという体験談に、会場からも驚きの声が。「そこから学んだのは衛星電話の大切さ」と笑いながら語る姿に、サバンナでの暮らしの厳しさと同時に、それでも自然の中で生きることへの強い情熱が伝わってきました。
公開収録の全貌を知りたい方は、10月15日と22日配信のPodcast「YUKA on SAFARI」で、ぜひ聴いてみてください。
■Podcast「YUKA on SAFARI」
10/15配信:#150 【公開収録@COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP】 前編
10/22配信:#151 【公開収録@COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP】 後編
公開収録後は、太田さんが1日店長となり接客業務を担当。この日は特別に、太田さんが監修した特別なイラストを、 購入したアイテムにシルクスクリーンでプリントできるサービスも実施されました。
「動物ひとつひとつの表情にこだわった」という言葉通り、かわいさとワイルドさが共存するグラフィックに仕上がっていました。
「PRIDE IN THE WILD」と「BELONG WITH THE WILD」という2つのデザインには、それぞれ深いメッセージも込められています。前者は「誇り」と「ライオンの群れ」という二重の意味を持ち、自然環境への誇りと責任を表現。後者は「人も自然の一部」という太田さんが大切にしている概念を表すフレーズです。
店前には、生憎の天気だったにも関わらず長蛇の列。店内も大混雑。太田さんの注目度と人気の高さがうかがえます。
普段はアフリカにいる太田さんにとって、 こうしたイベントは「応援してくださるファンの皆様と繋がることのできる貴重な場」だと言います。メディア露出が増え、声をかけられることも増えてきたものの、直接触れ合える機会の大切さを改めて実感した様子。店長業務は、最後まで列が途切れることなく、大盛況のうちに終わりを迎えました。
現在、太田さんのツアーは大好評で、今年のハイシーズンは日本から毎日お客様が来ていたというほどの人気ぶり。最近では、サバンナに自身のロッジもオープンし、スタッフも増え続けています。直近の目標は「クルーガー国立公園で初の日本人ロッジを、成功に導くこと」だそう。
それでは最後に、太田さんのショートインタビューをお届けします。イベントのことやコロンビアのことに加え 、サファリのあれこれを伺いました。今後、太田さんのサファリツアーに参加しようとお考えの方も、必読です。
サファリのアイデアがあれば、日本でもっと自然を楽しめる。
本日は長い時間お疲れ様でした。イベントはいかがでしたか?
太田:とにかく皆さんが喜んでくださっていたのが 、とてもうれしかったです。
最初から最後まで、まったく変わらず接客をされていて驚きました。
太田:マシンガントークだけは得意なんで(笑)。印象的だったファンの方はいましたか?
太田:泣いてくださった方がいたんですけど、私まで泣きそうになっちゃって…。みんなで泣いたら恥ずかしいなって思って、必死にこらえてましたね(笑)。
サバンナでの制服のことも聞かせてください。太田さんは普段、ショーツと半袖シャツですが、動きやすさを優先しているからですか?
太田:というよりも、サバンナはやはり暑いんです。日中は35度にもなるから、その気候に合わせた結果、あのスタイルになっています。ただ、虫にも刺されるし、茂みに入ると傷もつくんです。 傷も治りにくくなってきたので、最近はロングパンツを履くことも増えてきました。その際はどういった基準で選ぶのでしょうか?
太田:1番大事なのはやっぱり色ですね。サバンナカラーは必須条件です。それ以外は、しっかりした素材であればある程度どんなものでも大丈夫です。
公開収録でもお話されてましたが、コロンビアのシューズとバッグパックを愛用されているんですね。
太田:そうなんです。本当に気に入ってるんですけど、シューズは野宿とかにはもったいなさすぎて履けないです(笑)。どちらかというと日々のサファリドライブだったり、街に行く時に制服に合わせて履いてます。あと、あたたかいんですよね。冬のサバンナは10度を下回ることも多いんですけど全然冷えなくって。それと、最高にかわいいです!バックパックはいかがですか?
▲ 写真提供:太田ゆか
▲ 写真提供:太田ゆか
太田:使い心地がすごく良くて。私って骨格の問題なのか、合わないバックパックが結構あって。でもコロンビアのバックパックは、いろんな箇所を調整することができるので、ぴったりフィットするんです。色もかわいいですし、乾季のサバンナとはよく合います。
日本には、サファリに行きたくても行けない人がたくさんいると思いますが、同じような気分を味わいたいとなったとき、方法はありますか?
太田:私のYouTubeではバーチャルサファリというコンテンツがあって、お客さんの代わりにカメラマンが後部座席に乗って、私がガイドする様子を生配信するんです。ドキュメンタリー映画などの作られたものじゃなく、普段のサバンナの姿を見ていただけます。 現在は学校や企業イベント、高齢者施設などでも実施させていただいているんです。
公開収録でも「本を読むように森を見る」と、動物を見つけやすいとおっしゃっていました。それはサファリに限らず、日本でも応用できそうですよね。
太田:そう思います。英語にすると 「Read the bush like you read a book」なのですが、要は1点ではなく、全体を見ると違和感に気づけて、次に、その違和感にフォーカスすると動物がいたりするんです。ぜひみなさんも試してみてほしいです。
極端かもしれませんが、自然だけではなく、街歩きなどでも応用できると思いますか?
太田:たとえば、雨降ったあとの水溜まりをみると、肉球が残っていたりするんです。私も日本にいるときは気にしてませんでしたけど、アフリカから戻ってくると、そういうのが目につくようになりました。ちょっと意味合いは違いますが、街のなかにも、予想以上に生き物はいるし、自然のサインってたくさんあると思います。「一生サバンナで暮らしたい」ともおっしゃっていました。動物が好きというのはもちろんあると思いますが、時間の流れや文化の違いなども、起因するのでしょうか?
太田:ありますね! 以前、3年ぶりに日本に帰ってきて電車に乗った時は、人の多さがあまりにもアンナチュラルだなって思いましたし、高いビルの光を見て「あそこの全部に人がいるんだ~」って、ちょっと怖さを感じました。だからいつも、サバンナに帰るとホッとするんです。
ありがとうございます。最後に、 日本で必ず買って帰るものはありますか?
太田: 日焼け止めや化粧品系はほとんどすべてです。あとは日本食もたくさん買って帰ります。お味噌汁なども、海外に住まわれてる方は買って帰りますよね。
太田:それがですね、実は、お味噌汁は無限に在庫があるんです。ツアーに参加してくれる皆さん、お味噌汁をよく持参されるのですが、結局飲まないことが多いみたいで最後にプレゼントしてくださるんです。なので、できれば次は鶏ガラやお出汁とかを持ってきてもらって、帰国時に置いていってくれるとうれしいかも(笑)。
今回のイベントは、アウトドアブランドとして環境保護に取り組むコロンビアと、サファリガイドとして、自然との共生を伝え続ける太田さんの価値観が重なり合った1日となりました。
サバンナと都会、アフリカと日本。遠く離れた場所で思いをともにする両者の新たな物語に、今後もご期待ください。
■店舗情報
COLUMBIA TOKYO FLAGSHIP
東京都渋谷区神宮前6丁目27-8 エムズ原宿ビル 1&2F
営業時間:11:00~20:00(不定休)
Text:木村圭佑
Photo:菊地晶太