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『垂直の旅』2019年ヨセミテ エルキャピタン|MOUNTAIN HARDWEAR アスリートレポート

2019/08/02

今回は、マウンテンハードウェアがサポートするアルパインクライマー 長門敬明(ながと・たかあき)さんのアメリカ・ヨセミテ国立公園へのクライミングツアーのレポートをお届けします。


『垂直の旅』2019年ヨセミテ エルキャピタン
私が初めてヨセミテを訪れてから、かれこれ15年が程経ちます。通算すると今回で9回目。1度の訪問で1か月〜2か月ほど滞在します。ここまで一つの場所に時間を費やせるのは、それだけヨセミテという場所が魅力的だからという理由に他なりません。

世界中のクライマーにとってヨセミテは特別な場所です。世界の注目を集めるような記録がこの地でいくつも発表されている事もその証拠です。未開のルートや新記録など、それぞれの目標を達成する為にこの地に集まるのです。
ヨセミテには良質な岩場がいくつも存在しますが、最も有名なのは一枚岩の「エルキャピタン」です。

エルキャピタンと対峙すると、そのあまりの存在感に圧倒されると同時に、畏怖の念を抱かざるを得ません。初めて目の当たりにした15年前から今日まで、この岩に対する憧れは薄れることはありません。

私がエルキャピタンの「フリーライダー」というオールフリールート完登したのは2年前。そして次の目標である「ゴールデンゲート」は昨年(2018)に挑みましたが、実力不足から途中敗退となりました。
そして今年の春、満を持して再度チャレンジとなったのです。

今回も強力パートナーは山本大貴。目標はエルキャピタンのゴールデンゲート(38ピッチ グレードⅥ 5.13b)。

しかし、私たちのやる気をなどそっちのけで長雨が続き、クラックは濡れ、フェース系のルートと傾斜の強いリーニングタワーという壁しか取り付けないまま、帰国の日が近づいてきました。
悪天で思うように動けない中、それでも私たちの決意は揺らぐことなく、雨に濡れるエルキャピタンをじっと見つめながら虎視眈々とチャンスを伺っていました。
そして遂に帰国日一週間前に晴天周期に恵まれたのです。ケージに入れられた鳥が大空に放たれるように、私たちは飛び出して行き、エルキャピタンの壁へ取り付きました。そして岩の中で4泊5日間を費やし、遂にチームフリーで完登できたのです。

1ピッチ、1ピッチをフリークライミングしながら、先を手探りで登りつめていく楽しみと緊張感。
「ビックウォールは垂直の旅」私たちにとって濃密で贅沢な時間となりました。

ヨセミテは訪れるたびに得るものがあります。
今回は、今まで以上にクライミングする喜びを感じさせてくれました。

写真:山本大貴(やまもと・ひろき)・長門敬明(ながと・たかあき)


マウンテンハードウェア公式サイト

2019/08/02