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コロンビアモントレイルアスリートと語る トレイルランニング座談会 後編

2019/09/17

トレイルランナー有志9名が4名のアスリートを迎え、トレランならではのトレーニング方法やシューズの選び方などについての疑問をあれこれぶつけ、本音で語っていただいた座談会の後編です。前編はこちら
【出席者】
上田瑠偉選手、大塚浩司選手、三浦裕一選手、柿本恵理選手
イトウさん、ワタナベさん、かすみさん、タカさん、工藤さん、ワカさん、ミツノさん、にのさん、えんたんさん

向かって右から上田瑠偉選手、大塚浩司選手、三浦裕一選手、柿本恵理選手

レースについて
工藤さん:レースの経験はまだ3回しかありませんが、準備万全と思って臨んだのにも関わらず、ああこうすればよかった……と必ず反省点が出てきます。準備やレース中に気をつけていること、失敗から学んだことなどをうかがいたいです。

神奈川県在住の工藤さん。トレラン歴1年

三浦選手:レースに関しては、準備が9割だと思います。準備で失敗したら、どんなレースでも精神的に動揺してしまい、無駄に消耗しちゃって最後まで持たなくなる。だから、あれも持ってきた、これも持ってきたから大丈夫だという状況を自分でつくるのは大事だと思います。僕の場合、車で移動するときは人より1.5倍くらい荷物が多い。雨が降ったらコースがぐちゃぐちゃになるかも、そうしたら靴下や靴の変えが必要。他にも雨具を持って行くとか、いろいろシミュレーションしてみます。そして、レース前日の夜に天気予報を確認して、必要ないものを省いていってベストな状態にする。僕はレースで勝負をしなくてはいけないから、重くなる無駄なものはできるだけ持ちたくない。限界ギリギリまで削ることをやっています。ただ、完走が目的の方ならば、ジェルなどは少し多めに持っていってもいいと思う。レース途中に気持ち悪くなってジェルが飲めなくなったときのために、自分の好きなもの……柿の種でもビーフジャーキでもなんでもいいと思うので、ちょっと癒しになるようなものを持って行くのもいいと思います。

司会:用意するもの以外で、ルーティーンでやることはありますか?

三浦選手:ショートのレースだと、胃が気持ち悪い状態では走りたくないので、スタートの2〜3時間前には食事を終えてリラックスするようにしています。あとは、泊まっている宿に朝でも入れるお風呂があれば必ず入って体を温め、ストレッチをします。レース会場に着いたら、疲れないように何もやりません。

上田選手:僕も朝は体を温めるためにお風呂かシャワーは必ず。体が起きるまでに5時間はかかるからスタートの5時間前に起床します。早朝のスタートの場合は、睡眠時間が少なくなるので4時間前に。朝食はスタートの3時間前には終わらせます。日頃から練習して準備しておく。それが一番。どれだけ自分が自信を持ってスタートラインに立てるかで完走できるかが決まってくると思います。

工藤さん:レースプランは立てますか?

上田選手:僕の場合は優勝しか狙っていないので、大雑把に20キロ間隔でこれくらいかなと考えるけど……。練習が十分でない人は、プランは考えないほうがいいように思います。達成できなかったときに落ち込んでしまうから。

大塚選手:僕の場合、ハセツネCUPでは第一関門をいつも決めてやっているけど、そこから著しく遅いと本当にヤル気がなくなる。自分のモチベーションが下がることはしないほうがいい。あとは、大会会場に行くまでにトイレを済ませておくことは必ずやっていますね。会場で並ぶのがイヤだから。車中泊も疲れるだけだから絶対にしません。

大会の開催とトレランマナーについて
ワカさん:トレランの大会を開催するときに気をつけていることや、トレランのマナーについてどう思いますか?

東京都在住のワカさん。トレラン歴2年

大塚選手:今年は11レース、来年は13レースを開催する予定です。僕は長野県に住んでいて、大会も長野がほとんど。長野には全然人が来ない里山がいくらでもあって、トレランの大会をすることで地域振興につながると考えています。だから、そういう登山者やハイカーさんがいない山を切り開いてやりましょうと提案するんです。コースは基本的にワンウェイではなく、選手がスタート地点に帰ってくるラウンド型に。これのほうが応援もしやすいし、会場を2つ作るとお金も2倍かかってしまう。開催に関して一番大事にしていることは「身の丈運営」。うちの場合、スタッフ全員がトレイルランナーです。よくわかっていない人がやると、必ずミスが出る。わかっている人だけで、できる範囲のことだけをやる。コースの距離が長くなれば、それだけエントリー料が高くなるから収益も上がりますが、それは身の丈ではないから絶対にやりません。初心者を少しずつでも育てていこうと考えています。

上田選手:マナーに関して言えば、山で練習する場合、ハイカーさんが多いところはできるだけ選ばない。もし選んだとしても、ハイカーさんが特に多い休日や日中の時間帯は避けます。どんな山でも、ハイカーさんや登山者には必ず大きな声(びっくりさせない程度の)で挨拶します。こちらの存在を認識してもらうためにも挨拶は重要。なかには「なんで知らない人が挨拶してくるんだろう?」みたいな人もいますが、それでもしっかり挨拶することです。

柿本選手:下りは絶対に止まれるスピードでしか走りません。慣れている場所だとしても、危険ということを忘れてはいけません。挨拶は本当に大事です。そこから会話が生まれることもありますし。

三浦選手:大会のときに心掛けているのは、ハイカーさんや誘導の人に必ずアクションを起こすこと。コース誘導の人には「ありがとうございます!」と声を掛けたり、体力的に余裕がないときは手をあげて感謝を伝えます。普段の練習では、ハイカーさんに遠くから声を掛け、よけてくれたときにはすれ違うときや追い越すときに「ありがとうございます!」と言います。

上田選手:登り坂とカーブは注意すべき。登り坂は視線が下に行きがちなので、向こうから降りてくる人に気づかないことが多い。辛くてもこまめにルックアップして行き先を確認すること。カーブは減速して、前方確認をしっかりしてください。

走るときに意識していること
ミツノさん:山を登るときは、お尻の筋肉とハムストリングスが重要と思っているので、普段の筋トレもそこを意識してやってはいます。登りを速く走るために意識してやっていることがあれば教えていただきたい。

神奈川県在住のミツノさん。トレラン歴10年

上田選手:山を登るときは足首を固定している感じというか、傾斜がきつくなるほど足首はロックしますね。足裏をべたっと地面につけると、アキレス腱が伸びふくらはぎがピンと張って疲れてしまう。僕の場合、登りで意識しているのは腕振りです。進行方向に向かって腕振りの勢いで体を持っていくようなイメージ。引くというより振り上げるほうを大きくする。斜面に対してあまり足を上げ過ぎてもダメ。足は斜面に対してつま先を平行に出すというか、お尻と股関節で歩くような感じです。『キャプテン翼』の日向小次郎のタイガーショットみたいに(笑)、つま先がビューっと滑るようなイメージ。

からだを使って登りの練習姿勢を教えてくれる上田選手

大塚選手:人間は重力が働いているので、足で登るというよりは自分が前に倒れる力を利用するというのを意識してみてください。

三浦選手:普段の生活の中でお尻やハムストリングスを鍛えるのであれば、階段の1段抜かしの上り下りがおすすめです。

日焼け対策について
にのさん:レースに出て完走して満足して帰ると、半袖半ズボン焼けを会社の人に笑われてしまうことも。紫外線を浴びると余計に疲れるという話を聞いたりもします。特に女性アスリートの方はどんな対策をしているのでしょうか。また、私は体調があまり優れないかと練習を休んでしまうこともあって、そのときは「自分に甘いな〜」と自己嫌悪に。こういうのってやっぱりいけませんよね?

東京都在住のにのさん。トレラン歴4年

柿本選手:日焼けにはとても気をつけています。顔や腕、足など素肌が露出しているところに、クレンジンク剤でないと落ちないような強力なタイプの日焼け止めを3度塗りしています。それと、レース後にパックも欠かせません。レースに出かける前に冷蔵庫にほてりを鎮めるパック剤を入れておき、帰宅したらすぐにパックして肌を冷やします。泊まりのときでも必ず持参して、ホテルの冷蔵庫に入れておきます。体調が優れないときは無理して練習をしないほうが絶対にいいです。こういうスポーツをやっている人は自分を追い込みがちです。甘いくらいでいいと思います。体調が優れないときに練習しても成果は上がらないし、怪我にもつながりますから。私は8割を練習に、2割を回復する時間にというふうに考えています。

大塚選手:僕は日焼け止めを1回も塗ったことがないから、この通り真っ黒です。でも最近は、日焼けの回復にエネルギーを使い、レースのパフォーマンスが落ちることもあるので、これからは日焼け止めを塗るようにしようと思っています。それと、サングラスはかっこつけじゃなくて目を守るためにしたほうがいい。紫外線は目にも悪影響を及ぼしますから。

リカバリーについて
えんたんさん:練習やレース後の回復にすごく時間がかかります。みなさんはどのようしてリカバリーしているのでしょうか。

静岡県在住のえんたんさん。トレラン歴6年

三浦選手:練習やレースの後にシャワーを浴びるときに、手にボディソーブをつけて足をマッサージ……というと大袈裟になりますが、少し揉むようにして洗っています。そうして足を触ると、どこが張っているとか痛いとかがすぐにわかって、その日の走り方はあそこが悪かったんでここが痛くなったんだなと振り返ることもできます。筋肉をほぐしながら走り方の改善もできるので一石二鳥ですよ。アイシングはよほど痛くない限りやりません。練習は距離を踏むよりも、ひとつひとつのパフォーマンスを高くしたほうがいいと考えていますので、僕は週3完全休養しています。体が重いとか気持ち悪い状態で走っても、ヘンに筋肉ばかりを使って余計な疲れがたまるだけ。今日はだるいから走りたくないと思ったら走るのはやめて、その時間は体をケアするのに使うべきだと思います。

大塚選手:45歳になり、当然ですが20代や30代のときと疲れがまったく違うと実感しています。若い頃は、レースに出たら全力を出し切るので、疲労抜きジョグなんてできなかったし、なんでそんなことやってるの? と思っていたぐらいです。40歳を過ぎて、疲労抜きジョグの大切さがようやくわかりました(笑)。レース後、疲れ切ってはいるのですが、足を動かして血液を回しておかないと乳酸が溜まって筋肉がカチカチになってしまう。だから、レース後すぐに疲労抜きジョグを3キロくらいやります。ゆっくりでいいんです。足をオイルマッサージすることもあります。翌日の筋肉の状態がかなりよくなりますよ。レース後はあまりモノが食べられる状態ではないので、好きなフルーツ、りんごや桃などを食べるようにしています。温泉に入るのもリカバリーには抜群にいいですよ。

ウェアのこだわりについて
司会:SNSで募った質問です。勝負服や着こなしについてこだわっていることはありますか?

三浦選手:僕は青だったり黒っぽいグレーだったり……。まちまちであまりこだわりはありません。

大塚選手:赤は着ないってことぐらい。だいたいはブルーか黒系ですね。チアユーアップヘッドバンドは必ずします。やると気合が入る!

上田選手:僕も同じくヘッドバンドは必ずしますね。気合が入るし、勝負モードに切り替わるから。サングラスをするので、ヘアバンドが汗止めになってサングラスに垂れないのもいいから実用性も高い。わりと緑系のウェアを着ているといい記録が出るような気がします。

柿本選手:私は青を中心にコーディネートを考えるようにしています。ヘアバンドやアクセリーなどは一切つけません。

司会:それではそろそろこのへんでお開きとさせていただきます。本日のアスリートのお話は是非ともご自身のトレランライフに活かしていただき、さらに周りの仲間の方にもシェアしていただければと思います。みなさん、本日はありがとうございました。

最後に参加者全員で記念写真。憧れのアスリートとの2ショット撮影でも盛り上がりました

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2019/09/17