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Ultra Tour Monte Rosa 170km│ 海外レースレポート

2019/11/06

日頃より「カルドラド」を愛用して下さっているトレイルランナーの野口さんより、海外レースレポートが届きました!舞台はスイスとイタリアにまたがるMonte Rosa周辺。一番タフであろう170kmの部門に出場されました。


昨年9月、某レース会場でL’Échappée Belleにいってきた話をしたら「タフなのが好きならUTMRがオススメ」とご意見をいただいたので今年はUltra Tour Monte Rosaに挑戦することにしました。
スイスとイタリアにまたがるMonte Rosaのまわりを一周するコースで、170kmと100kmの部、170kmを4日間に分けて走るステージレースの3種目ありますが一番タフそうな170kmの部にエントリーしました。
レースディレクターはUTMBを過去に5度優勝しているLizzy Hawkerさん(http://lizzyhawker.com/)。めちゃくちゃすごい方がコース設定されているのでそりゃタフですよね…。

成田から出発してジュネーブに到着。そこからレマン湖を眺めながらの電車移動でZermattへ。レース前はスイスのシンボルであるマッターホルンの麓の村のZermattに数日滞在しました。Zermattの山はコースが無数にあるし、標識もしっかりしていて山岳交通も充実しているので初心者~上級者まで楽しめるトレイル天国でした。

ツェルマットの駅前。空気も街並みも綺麗

ツェルマットからトレイルヘッドまで5分もかからずたくさんトレイルがありました。日々の散歩感覚で山に入れるぐらい街から近いです。

ゴルナーグラート鉄道で3089mの所まで上がりました。マッターホルン、モンテローザ、ブライトホルン等、名峰をすごい場所から眺められます。

絶景の中でツェルマットまで歩いて下山しました。

レース前日はスタート・ゴール会場であるGrächenに移動して受付、装備チェックへ。
必携装備は全て並べて確認します。今回は雪融けがすすみすぎて氷河の上を歩く場所があるので、その部分はクランポンも必携装備でした。エマージェンシーシートではなくビビィ(寝袋)タイプが要求されたり防寒着を推奨していたりと他のレースよりもかなり厳しめでした。

コースの平均標高が高く、天候も荒れやすそうな山をたくさん登るので、装備は削るよりも防寒着等をかなり多めに持っていきました。
デポバッグも4か所もありレースの過酷さを感じさせられ、色々考えすぎて用意するのが難しかったです。笑

靴は昨年L’Échappée Belleで履いたカルドラドⅢの今年のモデルを選びました。
今回の激しい登りと下りを繰り返すコースだとグリップ力や軽さをとるよりもどんなサーフェスにもある程度対応出来て丈夫なオールラウンダーなカルドラドⅢが最適と考えました。

レース当日。スタートは早朝4時なので真っ暗です。夜には天気が荒れる予報で、かなり寒くなるから防寒対策をしっかり行うようアナウンスがありました。他のレースと違いマイクパフォーマンス等は特に無く、静かにスタートしました。
CP1のEuropahütteまでは思っていたよりも走りやすくて気持ちよく進みました。明るくなってきたら横が崖で滑ったらアウトな感じのところもありましたが景色が良くて気持ちよくあっという間に到着。

CP1を出て少し進むとRanda村にある世界最長の歩行者用吊り橋のCharles Kuonen Hängebrückeを渡ります。

全長494mもあり、走行禁止区間なので5分以上揺られながら進みましたが足元が透け透けで迫力満点でした。

橋を渡った後は綺麗な森の中を抜けるとまた気持ちいいトラバース道がずっと続きます。
落石注意の場所を通ったり、トンネルを何回か通ったりを繰り返しました。この時ライトをザックにしまっていたのでトンネル入る時にはライト持っている選手にくっついて通過しました。笑

なんかすごいところに来たなーと思わせてくれるトラバース道

落石注意の看板

皆さんちゃんとガードの下を走っていました

CP2のTaschalpeから少し登るとマッターホルンを見ながら走れるはずなのですが、曇っていたので見えず残念でした。CP3のZermattの町が見えてきたらひたすら長い下りです。ゆっくり進んでいたら同じペースになった選手に「UTMFで日本に行ったことあるぞ」と声かけてもらったりしながら楽しくて長い下りもあっという間に終わりました。

Zermattの町の中を通り抜けてCP4のGandegghütteまではずっと登りっぱなしのパートに入ります。

振り返るとZermattの町が綺麗に見えて周りの選手とワーワー言いながら登りました。本当に凄いところを軽装で走らせてもらえることに感謝しながら進みました。

CP4のGandegghütteは標高3030mにある小屋です。平坦になってきて気持ち良い所があっても走ると息があがるので走らないように気をつけました。

3000mを超えてくるとまわりは真っ白。

CP4のGandegghütte。皆防寒着上下を着たりゆっくりしていたけど休憩は程々にして短パンのまま出発。いよいよTheodulgletscher(テオドール氷河)へ向かいます。

テオドール氷河の上を通る手前でクランポンを装着。(スタッフさんが立ってて強制で。)

テオドール峠。氷河パートが終わってクランポンを外す選手たち。
ここからイタリア側に入りひたすら下ります。

イタリアアルプスを見ながらCP5のLago Cima Biancheまではイージーだけど急な坂をひたすら下っていきます。後半がえげつないアップダウンがあるから抜かれても我慢してゆっくり下りました。うまく写真を撮れなかったけど周りの景色が本当にすごかったです。
CP5を過ぎると緑が綺麗だったり渡渉するところがあったりめちゃくちゃ綺麗な場所をひたすら下ります。

牛やロバ?に癒されながら気持ちよく走っていたら、氷河を一緒に歩いたフランス人選手に追いつかれて一緒に進むことになりました。わざわざレースの為に日本からヨーロッパに来ることに驚いていました。過去にどんなレースに出たとか普段は山でどんな遊びをしているか等、話が尽きずダウンヒルを楽しみました。

森の中に入って数km進んだらCP6のRifugio Ferraro山小屋に到着。
ここでスタッフが悲しそうな顔をしながら近寄ってきて天候悪化によるレースの中断を知らされました。全然雨も降っていないのになぜ?
次のCP7のGressoney-la-Trinité(グレッソネイ)で終わり。半分もいかない場所で終わりと少しパニックになり、よくわからずボーっとしていたら一緒にいた選手に慰められ、トボトボとCP7のグレッソネイまで歩きました。

CP7のグレッソネイが見えてきてペースが下がる。笑

あの建物で終わりということで寂しくなり走るのをやめて歩きました。笑

半分も行かないところで終わってしまってよくわからん状態。

途中一緒に走って仲良くなったフランス人選手と記念撮影。来年はL’Échappée Belleを目指しているらしいので再会出来るかも?
結局グレッソネイにて81㎞、5575m+ 14時間37分ほどで終了となりました。 後半に登り下りが更に激しくなっていくのでかなり抑えまくってすすんでいたので、元気なまま終わってしまって残念でしたが悪天候は仕方ないですね。

実際次の日の朝起きて山を見ると真っ白になっていました。通る予定の峠は積雪40㎝ぐらいあったそうです。(そこまで積もるとマーキングの旗が埋まってヤバイ)

レース中断の二日後はUTMRのイベントの一つであるGrächen BERGLAUFという23km走らせてもらえるレースがありました。UTMR参加者は出させてもらえる感じでしたが天候が回復する予報だったのでグレヘンからガッツリ登ってUTMRの終盤のコースに合流してフィニッシュまで走ってみることにしました。

コース合流手前のSeetalhorn辺り

レース前と後で全然山の雰囲気が違いましたw

Schwarznasenschaf(シュバルツナーゼ)黒い顔の羊。どこに目があるのかわからないので怖く見えますが近くで見るとかわいいです。スイスの一部の地域でしか生息していないそうです。

コースに合流。最後はひたすらトラバース

絶景を見ながら走れます。

UTMRの最終エイドの場所。この日のレースでもエイドになっていました。

グレヘンまでのダウンヒルはレース中の人も一緒なのでついつい飛ばしてしまいました。

BERGLAUFの表彰式

景色最高な中のトラバース道をぶっ飛ばしてあっという間に20㎞程のツーリングが終わりました。この日は元気なので気持ち良く走れたけど、ぶっ通しで170kmの最後にこのコースに来たらトボトボ歩いてしまう可能性もありますね。笑
めちゃくちゃ良いトレイルを満喫して帰りました。

カルドラドⅢはアッパーが破れることなく、岩場・渡渉・泥んこな場所でも耐えてくれました。ソールは少し削れましたがまだまだ履ける状態で帰国し、信越100mileのペーサーで60㎞を同じ靴で走り終えました。

レースの中止は残念でしたがこの景色を見たらスタッフさん、選手達の命が最優先なので仕方ないと思いました。半分しか経験出来なかったけどUTMRは本当にすごい場所を走らせてくれるレースだと思うし、中止になったからといって走ること、山で遊ぶことのモチベーションが下がることは全くないので、またいつかこの場所に帰ってきたいと思いました。

使用アイテム
Columbia montral:CaldoradoIII
Mountain Hard Wear:Lone Mountain Short

2019/11/06