標高の高い山では、植物たちが花を咲かせることのできる時期はとても短い。ほとんどの花が6〜9月頃に集中して開花するのだ。そこで今回は、夏に咲く高山植物をご紹介。登山道の足元に目を向ければ、色とりどりの花々が織りなすもうひとつの絶景が広がっています。短い夏にすべてを懸けて咲く高山植物との出会いは、山旅をより豊かなものにしてくれるでしょう。
高嶺の岩に宿る、静かな生命力
「イワウメ」
高山の岩場や砂礫地に生育する常緑の小低木。過酷な高山の環境に耐えるため、岩の隙間や地面を這うように密に広がるのが特徴。小さく厚みのある葉は水分の蒸発を抑えるためだとされている。初夏には1.5cmほどの小さな白い花を咲かせる。
花期:6月〜8月
白い綿毛を夏山に添えて
「ヤマハハコ」
高山帯の草地に生える多年草で、乾燥や強い日差しに適応した特徴を持つ。細長い葉や茎に密生する白い綿毛は、水分の蒸発を防ぎ紫外線から身を守るため。夏になると白く小さな花を房状に咲かせる。素朴で控えめな姿ながら、厳しい山の環境に適応したたくましさを備えた高山植物だ。
花期:8月〜9月
夏の終わりを告げる高原の花
「マツムシソウ」
北海道から九州まで分布する日本の固有種。長く伸びた花茎の先に淡い紫色の頭状花を咲かせる。花は腰の高さほどまで伸び、花も直径4センチほどと大型で見応えがある。名前の由来は、マツムシ(スズムシ)が鳴く晩夏に咲くためと言われている。
花期:8月〜10月

