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上田瑠偉監修 2種類のバックパック開発秘話

2020/03/27

開発に3年を費やした2種類のバックパックが今春登場。 世界の一線で活躍する上田瑠偉が込めたこだわりと思いを伺います。


監修することになったきっかけ

全面的にサポート頂いているColumbia Montrailは、シューズを中心としたアメリカのアウトドアブランドですが、確か、2017年頃だったかな。自分にとって使いやすいバックパックを強く求めるようになり、僕から開発の提案をしたのがきっかけです。日本発信のこの開発にGOサインを出してくれたColumbia Montrailには感謝しています。何度もテストを繰り返したこともあって、商品開発の難しさも痛感しました(笑)。でも、納得いくものを作りたかったから結果的に3年も費やしてしまったわけですけど、開発にあたって特にこだわった点があります。


7L「ルインパルスベスト」に込めた3つのこだわり

ー素材ー
運動強度の高いこのアウトドアアクティビティにとって素材選びはとても重要でした。本体に伸縮素材を多く使い、背面部にはクッション性と通気性に優れたメッシュ生地を採用しています。素材は全体を覆うものなので軽くて丈夫でなくてはいけませんから、仕上げの縫製にも気を使ったんです。例えば、切りっ放しの接着だと劣化して耐久性に影響を与えるので、強度を増すために合わせ生地でパイピング加工を施しています。

7L『ルインパルスベスト』と収納できるアイテム


ーフィット感ー

激しいアップダウンを繰り返しながらスピードを競う競技特性上、背負ったときの“揺れ”は極力減らしたかったので、ベスト型にすることはマストでした。脇の空き具合も何度も試作してもらい、日本人に合ったサイズを模索しました。 7Lと10Lの2種類のバックパックはユニセックスになっているため、大柄の男性にも、細めの女性にもフィットすることを考え、自分で緩めたり締め付けたりできるサイドコンプレッションシステムを採用しています。

サイドコンプレッションシステムにより体型を問わずフィットさせることが可能

また前面にある2つのチェストフックは上下にスライドするので、自分の体型に合った位置でフィットさせることができます。このフィット感は最もこだわった点かもしれません。

上下にスライドすることができるチェストフック


ー機能(前面)ー
スカイランニングのように短い距離用に開発した7Lの『ルインパルスベスト』の前面には600mlのソフトフラスクが胸部に左右入れることができるので、背面のハイドレーションと合わせれば2L以上の水分を装備できます。ソフトフラスクを胸部に配置したのは、首を下に傾けるだけで水分補給できる利点と機敏な動きを邪魔させないためです。

ソフトフラスクは首を下に傾けるだけで水分補給できる位置に

そのほかに、ジェルなど補給食を収納するマチ付きのポケットも左右にあり、コンパクトな見た目以上に収納力があるんですよ。フタになっているので物落ちの心配もありませんし、ファスナー式のポケットもあるので財布や鍵などの貴重品を収めることもできます。

背面のハイドレーションは2Lまで対応


ー機能(背面)ー

7Lは、背面が上下の二基層に分かれているのが大きな特徴です。短い距離とスピードを求められるカテゴリーで競技を行っている者として、背面が一基層になっていると、底部に物が落ちてしまって、出し入れを難しくさせてしまうだけでなく、フィット感も損なわれてしまいます。僕の場合、腕を横に回してすぐに取れるようにファーストエイドキットやヘッドライトなどをファスナー付きの背面下部に収納しています。この背面下部は、スペースに余裕があるのでペットボトルを入れることもできると思います。

ファーストエイドキットやヘッドライトは、腕を回すとすぐに取れる位置に収納

もう一方の背面上部は、簡単な着替えや環境に合わせて使うウィンドシェルやレインウエアを収納できますし、大型化するスマホも収納できるポケットを別に確保してあります。

背面上部は着替えやレインウェアなどを収納でき、スマホなどの小物を収納できるポケットも配置

製品:ルインパルスベスト ¥15,400(税込) <UNISEX>
品番:XU0123  カラー:2色展開  サイズ:M・L


ウルトラ仕様の10L「マウンテンマゾヒストレースパック」のこだわり

ー抜群の収納力(前面)ー
UTMBのようなウルトラ志向の人に向けて開発したのが10Lの『マウンテンマゾヒストレースパック』です。ウルトラトレイルを走りぬくには補給は欠かせないですよね。なので、前面の胸部は7Lのようなソフトフラスク用ではなく、大量のジェルや補給食はもちろん、貴重品など様々なアイテムを入れるためのファスナー式のポケットとストラップポケットを左右に配置し、腹部側の両サイドに600mlのソフトフラスク用のスペースを設けてあります。さらに、その上にもポケットがあって、ソフトフラスクのテンションで物が落ちにくくなります。走りながらでもアクセスしやすい脇下にもメッシュのポケットがあります。ウルトラトレイルでは仕様頻度が高い防水グローブやヘッドライトを収納しても良さそうですよね。


ー抜群の収納力(背面)ー
10Lで最もこだわったのは収納力なんですけど、背面は7Lと違い一基層になっていて、とかく荷物が多いウルトラトレイ ルには大事な要素だと思いました。L字型のファスナーにしたことで、出し入れもしやすい設計になっています。それと、ウルトラではポールを使う場面もありますから、背面底部にポールホルダーを付けました。もちろん、7Lと同様にスマホやハイドレーションを入れるスペースもあります。

10L『マウンテンマゾヒストレースパック』に各アイテムを収納させたシルエット


ー素材とフィット感ー
素材は7Lと同じように伸縮素材と通気性に優れたメッシュ生地を多く採用しています。物が多いウルトラトレイルにとって、伸縮素材は収納力を確保するのに大切な素材ですし、大量の汗をかくわけですから、メッシュ生地も適材適所に使用しました。長い距離を長い時間走るわけですから”揺れ”によるストレスをできる限り低減させたフィット感も大切ですよね。10Lでも7Lと同じサイドコンプレッションシステムを採用し、2つのチェストフックは6箇所のホール式で、自分の体型に合ったホールに配置してフィットさせることができます。

製品:マウンテンマゾヒストレースパック  ¥14,300(税込) <UNISEX>
品番:XU0124  カラー:1色展開  サイズ:M・L


上田瑠偉にとってのバックパックとは?

今回、監修という形で商品開発に携わる経験をさせてもらったことで、どういう場面で何が必要で、スムーズに使いこなすためには、どう設計したらいいのか改めて考える機会にもなりました。大会ではエイドステーションなどを利用することで普段より軽装備になれることもありますが、トレイルランニングは自然の中で行うアクティビティですから、距離、標高、天気など自然環境に応じた装備を適切に準備する自己責任を求められるスポーツです。そういう意味でもバックパックは必需品と言えますね。


上田瑠偉(Ruy Ueda)
国内では敵なし。海外レースでも優勝する、日本を代表するトップランナー。2017年の日本山岳耐久レースで Ⅴ2を達成。2019年、世界最高峰のスカイランニングレースシリーズ Skyrunner World Seriesにて年間総合優勝。


製作:株式会社スタヂオ・ユニ
ライター: 山田 洋


コロンビアモントレイル公式オンラインストア

2020/03/27

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